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思い返せばあの時が一番夢に近かった

お笑い芸人になりたいと思ったことが、これまで2〜3度ある。

1度目は小学2年生の時。
夜。なんとなく眠れなかった私に、父は「エンタの神様」を見せてくれた。
それが死ぬほど面白くてお笑いに興味を持ち、いろんなネタ番組を見ているうちに自分もそういうことがしたいと思った。

とりあえず、当時通っていた珠算塾の友達とコンビを組んだ。
コントも作った。
タイトルは「ぽっぽや」
しっかりと覚えてないけれど、相方に跨って何かを喋っていた記憶はある。
たぶん蒸気機関車役をやらせていたんだと思う。
塾で先生にネタを見せていた。
先生は笑ってくれていたと思う。
飽きがきてすぐに辞めてしまったけれど、すごく楽しかったことだけは覚えている。

2度目は中学2年生の時。
お笑いは引き続き好きだったけれど、その時はDSやWiiと出会ってゲームの面白さを知り、ゲームを作る仕事をしたいと思っていた。
その年のM-1グランプリ。優勝したNON STYLEのネタが本当に面白くて、やっぱり芸人になりたい。漫才がしたいなと思った。

とりあえず、お笑いの専門雑誌をたくさん買って読んだ。
お笑いポポロ、お笑い男子校、マンスリーよしもと……。
その時はネタを書いたりせずに、テレビや吉本の動画配信サービスで片っ端からネタを見ていた。
ただ、高校を卒業したらお金を貯めてNSCに行きたい、とだけ思っていた。

3度目は今。
やっぱりずっとお笑いは好きだったけれど、仕事にもついたしどちらかといえばゲームやアニメ、声優にのめり込んでいた。
すると、特に好きなコンテンツに新キャラクターが追加された。

職業:お笑い芸人

彼の加入をきっかけに過去のお笑いへの想いが呼び起こされて、youtubeで大量にネタ動画や芸人のチャンネルを片っ端から見始めた。

そうして今、また芸人になりたいという気持ちが芽生え始めてしまった。

大人になって、まあ稼げるようになって、自由に使えるお金もあるし、色々できるはずなのに、昔とは違って芸人になることを怖いとも思ってしまう。

売れずに一生燻る可能性の方が高い、とか。
しんどい、とか。

そう考えると、初めて芸人になりたいと思った小学二年生の時が、1番夢に、芸人に近かったんだな、と思った。

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