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舞い散る桜を数えながら【昼町夜村の一撃!】「タイマ⇆ムシン」観劇

大変遅くなってしまった。

なんだかこの1ヶ月。
県大会を終えてからの1ヶ月。
やりたいことを諸々置いといて
駆け抜けてたので
11月からは
少しは手があくかと思ったら…

作業机は標高最高記録を更新し続け
ついでに足取りも重くなってきた始末。
もはや五体満足とは言えない。

そろそろ

この

やりたいことをやれてない期
脱却します!

持論で、
①やりたいのにやれてない
②やりたくないのにやっちゃう
は心への負荷が半端ない。
自分が弱いことの証左だから。

はい、前説おしまい。
ずっと書きたかったのに書けてなかった観劇録を書きまーす。
…こういうのは上演から間もなく投稿してこそ価値が生まれるのはわかってるんです。すんませんすんません。

2023年11月23日
月潟稽古場 夜の会
【昼町夜村の一撃!】「タイマ⇆ムシン

やりたくなっちゃうな〜
人のものだとわかってても真似したくなる。
やりたくなるアイディアを敷き詰めた演出大好き
それを成立させる元気もりもりのバカらしい芝居も素敵だった。この境地への旅路は長い。

音響照明道具に頼らない二次創作的な(既存の映像演出を想起させまくる)SF演出とか、姉ちゃんのお下がりの人形グチャグチャに折り畳んで変形ロボとして遊ぶ弟心とか、ミックス音源使った生歌ライブ補強とか。

話の大筋
AIに完全支配された世界。
主人公の彼女がAIを管理する高次元の役職に任命されてしまい、その理由を探るためタイムスリップできる大麻(これがタイマ⇆ムシン?)を使って過去に飛ぶが、どうもこれが未来っぽい。

いや、実は観劇した翌日に職場の先輩にも勧めて、ありがたいことに見ていただけたんだがやはりこの時間設定は難問で、その方は『インセプション』とかの他層構造系SF大丈夫な人だったから観劇後の説明で上手く伝わったが、これ、あのボケに溢れた芝居を観ながら同時理解するの結構大変?

うちの連れ合いは特に気にしてなかった。
SFをSFとしては楽しんでないのである。

「過去に飛んだはずなのに未来っぽい」
のは劇中の現在が大未来だからであり、この作品は大未来から未来へ大麻を使って行き来する、と。そういう構造なんだと思う。
たぶん。しらんけど。

でもファンタジーなんだから別に「現在」が今僕らの過ごしてるこの世界の現在とイコールでもないんだから「現在」と「過去」を行き来する、と説明してもいいじゃん。
と、一瞬思ったんだがおそらくダメ。

SFほどリアリティが大切で
リアリティっての現実性で
現実性ってのは現代社会性で。

何が言いたいかって?
現代の問題意識なしにこの「未来」と「大未来」はできなかったという話。

ドラえもんのひみつ道具しかり、SFは僕ら現代人の願いが叶う場所として造られる。

現代現在の僕らが抱く願いがこの未来と大未来を造るわけだが、
このSF世界を形作っているアイディアとはまさに

「平和の作り方〜AIに世界を管理させたら〜」

かな。

僕ら、特にコロナ以後
支配されたすぎじゃない?

感染症が広まれば統一的支配の方が安全。
戦争が始まれば統一的支配の方が強い。
多様性が認められるためには統一的支配が必要。
答えを間違えない統一的支配に弱点はないもんね

作中では
「未来」でそのAI世界を作ろうとする人達
「大未来」からそのAIにレジストする人達
「大未来」からAIを守る人達(主人公)

エンディングを見てると、主人公に対して「え、あなた結局擁護派に回るの?」と思うけれど、これはレジスタンスの時間移動によって世界が崩壊するのを防ぐためだとか。

世界の崩壊阻止 > 支配への抵抗(彼女連れ戻し)

そりゃそうですよね。
世界なくなったら元も子もないもんね。

いわば「目的」と「大目的」の構造。
ここも少しややこしい(言語化楽しい)

SF的には、未来から過去に来るということが可能になった時点でこの「世界崩壊」が降りかかるわけなので、AIに管理することを容認して時間稼ぎをするしかないんだよね。
最初から積みゲーと思うとやるせない理不尽ドラマ。

それでも、たとえ時間稼ぎであっても過ごしたかった日常の時間は流れる。
エンドロール。

舞い散る桜を数えながら、
これが廃人の夢でないことを願って。

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