N.59 echo (Octans)
N.59 echo (Octans)
胸のうち聞こえはじめたのは
いつの頃からだったっけ
気がついたらいつもあった
誰も知らない
ここにだけある月
胸のうち疼き始めたのは
いつの頃だったっけ
気がついたらなくなっていた
ふっと現れてはすくっていってくれていた
僕だけの光(星)
ことばはわすれたゆめの切れ端
繋げたみたいなもの
齧り付くように読んでみたって
ここにはないもない
あなたはここにいない
いつからか、同じようなメロディ
聞こえるようになった
それをなぞるように
歌う僕を嗤う僕は虚しくて
ただ、ずっとそこにある音
あの歌よりももっと前からある
この音よりももっと深くはない
けれど、うまれたときからそばにあるように
鳴り響く歌が聞こえる
この音を歌っているの、だれ
胸のうちを話してくれたのは
いつの頃だったっけ
気がついたらいつもいた
わたしにしかわからない
わたしだけの太陽
胸のうちを話したのは
いつの頃だったっけ
気がついたらいなくなっていた
ふっと現れてはすくっていってくれた
名も知らぬヒーロー
物語はゆめの切れ端つかむみたいなもの
あなたもそう
誰かの歌のカバーじゃなくて
あなたのオリジナルをうたってよ
あなたのうたをきかせてよ
どんなに稚拙でも下手でもいいから
愛しいから
わたしはその声が聞きたいんだよ
ずっと聞きたかったんだよ
聞きたい 聞きたかったんだよ
聞きたい、ずっと聞いていた
ずっとさがしていた
ずっと聞いていたい、唯一つの聲なんだよ
あなたのその閉ざした口
ことば、その向こうに聞こえる声は
音は
ことばじゃなくたっていい、ただの変な音でもいい、ひしゃげた声でもいい
ずっとさがしていた
ずっと聞きたかった、
ずっと聞いていた唯一つの聲なんだよ
その音は
あなたのその閉ざしたことば
こころ、その向こうに鳴る/響く声を
音を聞かせてよ
あなたのその声響く
あなたの音
あなたの歌を聞かせてよ
後悔も遠慮もいらない
ただ、
あなたの歌を