私はお客様を神様にはしない
2019年7月。
Print creative(プリントクリエイティブ)が5歳になりました。
私もブランドオーナーとして5歳に。
5年ではなく、5歳と言ってみると、25歳から30歳になった5年とは違い、まるで子どもの吸収力のように私自身もたくさん成長させてもらえたなぁと感慨深くなります。
0歳の時には考えもしなかったことを、5歳の今はたくさん考えるようになりました。これも、お客様をはじめたくさんの方との出会いがあったからだと、ありがたい気持ちが込み上げてきます。10歳になったらどんなことを考えているんだろう。こんなワクワクも感じています。
プリクリ、5歳おめでとう!
この5年間、螺鈿アートを通して多くのお客様とご縁をいただきました。
そして、5歳の今だからこそ、伝えることができるプリクリの信念があります。
それは、「お客様を神様にはしない」という信念です。
この信念は5歳の私が経験して感じたものです。
【お客様と売り手の立場は対等である】
これが一つ目の想いです。
「お客様は神様」
この言葉を聞いたことある方は多いのではないでしょうか?
歌手の三波春夫がパフォーマンスで言い続けていた言葉です。
この言葉の真意はこうです。
「自分のステージを見に来てくれた方を神様と思って、最高のパフォーマンスを発揮したい」
でも、この言葉は誤解されている場合が多いようです。
その誤解のひとつは、「お客様が売り手より偉い」という認識。
「私は客よ!」
「客なんだから!」
販売側の方なら、このような理不尽に思える経験をされた方も多いかもしれません。
プリクリにもこういうお客様はいらっしゃいます。
でも、これってちょっと違うよな~と思います。
お客様がお店を選ぶ権利があるように、お店にもお客様を選ぶ権利がある。
と私は思うのです。
お店から「この人はお客様ではない」、「この人には売るべきではない」と確信されてしまったら、いくら欲しくても売ってもらえないのが本質です。
客なんだから!
というお客様に自分の商品を使ってほしいと思う人は少ないのではないでしょうか。
つまり、お客様は神様という概念からは、商品を買えたとしてもそれ以上のものは受け取れないということです。
螺鈿アートは、必需品ではなく、生活の価値基準を上げる嗜好品。
ですから尚更、そのような方にはプリクリの商品を使っていただいても、最大限の価値提供には繋がらないと思うのです。
でも、プリクリには、「こんな素敵な物を作ってくださって、ありがとう」と伝えてくださるお客様が圧倒的に多いことに感激しています。
これは、プリクリがお客様に幸せのお裾わけをしていただく瞬間です。
そんな幸せなお客様には、もっとプリクリとしてしてあげられることはないかと感じます。
こういうやり取りは、双方が気持ちよい関係でいることができます。
だからこそ何があっても、お客様と売り手の立場は対等と私が思う理由です。
ちなみに、松下幸之助は、「お客様は王様です」と言っています。
なるほどなぁ。
【義務を果たして権利を主張する】
これが二つ目の想い。
誰もが幸せになる権利があります。
しかしながら、どんなことでも幸せになれる人はごく少数。
なぜなら、幸せになれる人は、そのための義務を果たした人だけに限定されるからです。
勤めている会社で評価を得たければ、それに見合う実績を納める義務があります。
野球選手が高い年俸を貰おうと思えば、好成績を出すのは当たり前のことです。
テストで良い成績を残したければ、勉強に励まなければなりません。
幸せになる権利は、そのための義務を果たした人に与えられる。
こんな当たり前のことが常識として身についていない人がいることには本当に驚かされます。
プリクリでは、保証サービスという独自制度を設けています。
(詳しくはこちらを見てください▶https://www.pricre.shop/blog/2017/09/07/133935)
これは、お客様の使用中の破損にも、条件付きで交換をするという、ちょっとあり得ないと思える制度です。
スマホケースを1か月で落として壊れようが、半年でミラーを割ってしまおうが、普通であれば、また同じ金額を払って買い直さないといけません。
でも、それで螺鈿アートが使えなくなるのは、プリクリとして嬉しくないという思いから、このようなサービスをスタートしました。
対応人員のコストや製作コストもかかることなので、存続のために一定のルールを設けてやらせていただくことで、お客様の負担を可能な限り少なくしています。
でもこのルールを守らずして、権利を主張される方が非常に多いのです…。
申込の項目を正しく記入できない。
申込せず、利用したいと連絡をする。
自分が壊したわけじゃないからと、費用を払うことを拒む。
でも、この主張、別の事例に置き換えてみると、おかしいことに気づくはずです。
申込の書類に記入ミスがあったら、受理してもらえますか?
自動車事故を起こしてから、自動車保険に入るってできますか?
車の傷に身に覚えがないから、無料で修理してって通りますか?
私はこういう時には、しっかりと本質を伝えることが、お客様に対する姿勢ではないかと思うのです。
お客様には幸せになってほしいから、「こういうことをするのは、これで終わりにしようね」という感覚かな。
権利の主張は義務を果たしてから
の方が絶対幸せですよね。
【最終的には人対人】
これが三つ目。
お店から「ルールですから」と事務的に対応された経験はありませんか?
私自身もたくさんあります。
その度に、「そんなことは分かってる!でも、人間味ある対応策はないの?」と心の中で叫んでいました。
プリクリにもルールというのは、当然存在します。
でも、プリクリでは、お客様次第でルールが覆ることもあるのです。
事例を挙げてみますね。
購入してわずか1か月で、落として破損してしまったお客様がいるとします。そのお客様は保証サービスには入っていませんでした。
Aさん
「あの…保証サービスを申込していないので、ご無理は重々承知しているのですが、実は落として割ってしまいまして…。とても気に入っていて、友達にもすごく褒められるし、長く愛用したかったのに、割ってしまってすみません。何かご対応いただけることはないでしょうか。念のため写真もお送りするので見ていただけますでしょうか。」
Bさん
「普通に使っていただけなのに、1か月で割れました。こういう商品なのでしょうか。高かったのに残念でなりません。」
Aさん、Bさん、売り手としてどちらの連絡が気持ち良いでしょうか。
当然Aさんですよね。
お店も運営しているのも人です。
お店側の感情も大切にしてくれるAさんと、
お店を無感情のロボット扱いするBさん。
AさんとBさんでは、どちらが多くを受け取れると思いますか?
プリクリは、Aさんのようなお客様には、ルールを変えてでも何ができるだろうかと考えます。
実際、このような連絡が来たとするならば、Aさんには、「今からでも保証サービスに入りませんか?」とルールを超えた案内をします。一方、Bさんには、恐らくルール通りの案内をします。
でも、多くのお店はどのように連絡が来てもルール通りというところが多いですよね。特に、組織が大きくなればなるほど、ルール通りです。
「事務的」
プリクリの辞書に、この言葉はありません。
幸せな選択ができる人には、幸せな対応をする。
以上が、プリクリの根底にある考え方です。
もし、あなたにお子様がいるとするならば、こんな教育ってしませんよね?
「お客様の方が立場が上なんだから、お店には何言ったっていいのよ」
「ルールだと言われても、自分の思い通りにすればいいのよ、私は客なんだから」
こんな教育は、子どもにはしませんよね。
にもかかわらず、実は子どもに教育することを実行していない大人たちが多すぎると思いませんか。
どんどん自分の幸せを奪ってしまうのは、避けたいですよね。
「この輝きの虜になっている」
「こんなにも人に持ち物を褒められたことはない」
「女子力がワンランクアップした気がする」
螺鈿アートを愛用してくださっているお客様の声を聞かせていただくと、螺鈿アートには、私たちの幸福度を高める力があると信じています。
だからこそ、お客様は絶対視をして何も言わない存在(神様)ではなく、むしろ、より幸せになるためには苦言や助言も必要なんだ。
これこそが松下幸之助が言う「お客様は王様だ」という格言に、5歳になったプリントクリエイティブは、なるほどなぁと思うわけです。
まだ5歳でしかない私が、不躾ながら日々感じていることをありのままに綴ってみました。今はまだ、正しいかどうかは分かりません。
でも、成長している今、この信念をもって、この先出会うであろうお客様をもっと幸せにできるよう精進しなければ。
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