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「リトル・ヒストリー」シリーズ 『若い読者のための文学史』

こんにちは。メディア事業部電子書籍制作担当のIです。

お家時間も増え、様々な学び直しをされている方も多いと思います。

そんな方にイェール大学出版局「リトル・ヒストリー」シリーズの最新刊をご紹介します。

このイェール大学出版局「リトル・ヒストリー」シリーズ、『経済学史』『哲学史』『アメリカ史』『考古学史』『宗教史』『科学史』が既に刊行されており、『文学史』は7冊目の発行となります。

このシリーズ、毎回さまざまな分野の歴史を非常にコンパクトにまとめています。

実は、先史時代から現代にいたるまでの歴史を叙述することは思っているより難しい作業です。「日本の文学史を古代から現代までまとめてくれ!」と言われたら、まとめられる自信ないですよね(笑)

何を取り上げて、何を省略するかの選択がポイントとなります。

その点、原著者のジョン・サザーランドさんは文学の歴史をよくまとめておられます。要素を詰め込みすぎず、大切な点はしっかり押さえている。すごい。

英米文学を中心とした文学史の流れがサラっと読めてしまう。最初はちょっと難しそうだなと思っていても、シックな挿絵も相まってこの本の世界に次第に引き込まれていく自分がいました。

文学が神話や詩から始まるのは、日本とも同じですね。

翻訳者の河合先生は日本におけるシェイクスピア研究の大家。そんな先生が翻訳された詩文がまた素晴らしい。原詩で韻を踏んでいる(押韻・ライム)部分は、訳でも韻を反映させています。そんなところにも注目したら面白いかもしれません。

戯曲の『マクベス』の訳文をご紹介します。

人生は歩く影法師。哀れな役者だ、
出番のあいだは大見得切って騒ぎ立てるが、
そのあとは、ぱったり沙汰止み、音もない。
白痴の語る物語。何やら喚きたててはいるが、
何の意味もありはしない。

五音と七音のリズムで訳されているので、流れるように読めますよね。実際に劇の中でセリフにしても歯切れよく口に出せそうです。

本書では原文を引いていますので、そちらも楽しめます。

原著についてはこちら。
The Books - Little Histories (littlehistory.org)

まだまだ新しい本が出てますね! A LITTLE HISTORY OF POETRYも読んでみたい。電子書籍版も精魂込めてつくりましたのでそちらもぜひ(^o^)丿

★すばる舎の「リトル・ヒストリー」シリーズはこちら

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