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鑑賞ログ「マトリックス レザレクションズ」

220127@ヒューマントラストシネマ 渋谷


レザレクション:復活、復興、再流行、キリストの復活、(最後の審判日における)全人類の復活(https://ejje.weblio.jp/content/resurrection)。
『マトリックス』三部作は、良かった…。ビジュアル的にも、キアヌ的にも。この世界は現実ではないのではないか説、いわゆる箱庭作品のこれぞ代表作「マトリックス」シリーズ。
今回新作を観るために、時々フラッシュバックしていた人類培養カプセルのイメージってここからきたのかと一人答え合わせをするなどしながら、3部作を復習。1作目はネオ覚醒の物語、2作目はネオとトリニティーの愛の物語、3作目は犠牲と人類救済の物語(自己調べ)。
当時は画期的なアクションシーンにゾクゾクしていたけれど、改めて観ると結構ワイヤーを感じる。それだけ当時からアクションが進化しているということなんだろうな。
だからと言って、「マトリックス」の価値が下がるわけではない。芸術の歴史において重要なのは何か。それは”独創性”だ。その意味で、「マトリックス」の世界観は独創的だと思う(攻殻機動隊の実写化と言われるが、それは受け付けない)。マトリックス色とも言うべきLED緑の色を感じるだけでゾクゾクする。ネオの詰襟の黒くて長いコート(感化されて同じようなコートを買ったこともある)とサングラス。トリニティのピチッとした全身スーツにバイクで疾走する姿。2000年前後の私に突き刺さるかっこよさだった。
(さっき調べたら、予算の都合でネオのコートは1ヤード3ドルの安い生地で作られていたらしい。衣装さんってすごいな…。)

改めて観ると、「マトリックス」ってネオ、トリニティー、モーフィアスって誰も金髪碧眼のザッツ王道白人じゃない。一方彼らを追うエージェント・スミスは王道白人。それって何かの意味があるのかしら?ジェンダーを越えた監督姉妹の意図?ま、元々ネオ役はブラピとかレオにオファーしてたとも言うし、そんな独りよがり分析はナンセンスか。でも、結構ダイバーシティを反映した作品だと思うな。

さて、いつもの通り前情報はほとんど入れずに鑑賞。作品を観るだいぶ前、12月下旬に某情報番組で本作のアクションシーンの解説を観た。「あのシーンがあるはずだから、ああなるんだよね」と予想をしながら観ていたら、そこがまさかのオチ前という…。ま、いいんだけど。

「レザクション」がどういう意味なのかの説明、「マトリックス」であるところまでの前段階が1時間ぐらいある。箱庭がさらに箱庭で…というまさか展開から始まって、「一番嫌なまとめ方!このままじゃ嫌だ!夢オチ一緒じゃん、もう!と素直に思っていたら、やっぱりそうくるよねー!」という展開に安心。
世界的なゲームデザイナーとして活躍するトーマス・アンダーソン。いけすかない共同経営者から、彼が過去に手がけ映画化までされた「マトリックス」に変わる新たなものを創るように要請される。そんな状況にあわあわするトーマスだったが…というのが入口。
理解力が乏しくなったのか、ちょっと途中でついていけないところもあった(トリニティーの境遇とか、なんで急にナイオビはネオを応援することになったの?とか)。でも疑似体験でストレス発散型の作品である「マトリックス」の世界に浸るという目的は果たせる。設定の面白さとその先にあるちょっと哲学的な風味が「マトリックス」の世界。
正直キアヌ・リーブスは歳はとったけれど(そりゃそうだ)、その分味も出ている。過去のシーンが出てくると、若いキアヌが眩しすぎて目が潰れそうになったけど。あと、ちょっと笑わせてくるシーンがちょいちょいあるんだけれど、マトリックスってこんな作品じゃなかったよね?という気も(キーワードはアヒル、銅像、飛行)。作品も丸くなったと言うことなのかしら。前3部作の若キアヌでは持て余してしまいそうなシーンだし。昔イキってた若者が今は丸くなりました、という感じで微笑ましい(褒めてる)。
日本の新幹線らしき列車に乗るシーンがあるんだけれど、ちょっとオリエンタルがすぎる。日本好きのキアヌは突っ込まなかったのだろうかとちょっと気になった。そしてもはやエージェントがゾンビ化して「ウォーキング・デッド」的なシーンとか、バビューンとエージェントが飛んで新幹線だけにあの「新感染」かと思うシーンも。絶対これ監督とか製作陣面白がってるよね?と笑ってしまった。

あと、ネオがスキンヘッドに観えるシーンが2回ぐらい出てくるんだけれど、あれはどういう意味だったんだろうと調べたら、あれは現実世界のネオの姿が投影されているとのこと。バッグスが説明していたらしいけれど、うまくキャッチアップできず。ざっくり言うと、仮想現実のバグだったんだな(頭が追いつかね)。トム・ハーディがカメオ出演してたのも後から知った。どこだ…。あと、「キャットリックス」はぜひ実現してほしい。

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