初めてメイドカフェに行った話

かねてより会う事が決まっていた友人からメイドカフェに行くことを前日に提案された。無論予想外の提案だったけれど、以前からメイドカフェというものには興味があって後は勇気だけ という状態だった私は快諾した。

その友人もメイドカフェに行くのは初めてで、だからお店選びは慎重に行った。候補になったのは「あっとほーむカフェ」と「めいどりーみん」の2つ。どちらも大手で信頼できるとの評判だったけれどあっとほーむカフェの方がメイドカフェ本来の世界観に忠実だと聞いたのでそちらに行くことにした。

並ぶことも多いと聞いたので当日は11時の開店から間もない時間に「帰宅」〔メイドカフェはご主人様(=客)の家なので入店は帰宅、退店はお出かけという。〕した。平日だから流石にそこまでは混んでいなかったけれど休日だと4時間待ちなんてこともあるらしい。3F~7Fの5フロアもあるのにそれだけ賑わうのは凄い話だ。

「帰宅」した私を出迎えたメイドさんに初めてきたことを伝えると料金や注意書きが書かれた紙を渡され店の外側で少し待つように言われた。変なところで準備がいい私は全て予習済みだったのでツイッターで古田龍生の炎上を観察していた。

2.3分後別のメイドさんがやってきて席まで案内してくれた。そして席に着くと「もえ水」と「ご主人様認定証」なるカードを渡された。このカードで入店が記録され一定の回数に達するとブロンズからシルバー、シルバーからゴールド…とランクがあがっていきよりお得にサービスを受けられるようになるらしい。まあよくあるよね、こういうの。
カードに記入する名前を聞かれたので堂々と「みなみ」と答えた。
カードには「みなみご主人様」と記入された。

次にメニューを聞かれた。
私は好きなドリンクと好きなデザートそして好きなメイドさんとのチェキがセットになったデザートコースを頼んだ。ドリンクに「メイドがお絵かき♪あいちゅキャラメルラテ」デザートに「お坊ちゃまサンデー」(パフェ)チェキを撮るメイドさんは誰も知らず中身の評価(?)は横一線なので好みの顔の子(直球)を選んだ。
メニュー名を読み上げる強さを持ち合わせていなかったので指示語を最大限に活用したのだけれどメイドさんに注文確認で全て読み上げられた。

注文を聞き終えてメイドさんが去ったところでようやく店内の様子をきょろきょろと見回すことが出来た。
白とピンクの印象が強い内装、壁には鏡と超人気メイドの写真が沢山並んでいた。(これらは1Fの入り口からエレベーターの中も含め建物全体)
スタッフはメイドが6人と撮影や調理などの裏方が何人か。
お客さんは自分たちを含めて10人より少し多いくらい。外国人カップルがいたこと、英語の勉強をしていた人がいたことが印象に残っている。女性も案外多いように感じた。

頼んだキャラメルラテとパフェが届いた。
キャラメルラテは目の前でお絵描きをして貰える。私は最近人気だというちいかわの絵を頼んだ。メイドさんはメイドの(苦労)話だとかをしながらも丁寧に描いてくれた。
出来上がった絵はちょっと失敗したと言っていたけれど中々に上手でメイドさんの真剣さを感じたので正直嬉しかった。(実際勿体なくておでかけ直前まで飲めなかった。)
練習したんだろうなぁとか感心をしていたら「美味しくなるおまじないをやりましょう!」と言われた。

「もえもえきゅん♡」

(手でハートを作りながら)

私はやった。

パフェが来たそこでもまた

「もえもえきゅん♡」

(手でハートを作りながら)

私はやった。
そしてメイドさんはにこやかに去っていった。

そして言いようのない疲労感だけが残った。

ちなみに食べ物はどちらもメイドカフェの甘い世界観に負けないくらい甘くて胃もたれした。僕はなんとか食べきったけれど友人は残していた。

胸やけに苦しんでいたら「みなみ様~」と呼ばれた。チェキ撮影だ。なんとこのチェキ撮影恐ろしいことにステージ上で行われていた。正直もう少し目立たない場所をイメージしていました…
前に出ると指名したメイドさんとの会話タイム(30秒ないくらい)
その数少ない会話でコミュ障を発揮した結果ポーズをおまかせすると言ってしまい、ハートポーズで撮影することに。
(ちなみに美容院でも同様の現象が起きるのでいつもおまかせである)
不慣れなハートポーズを精一杯作り下手な笑いをして撮影の時を待っているとカメラマン(♂)が

「はい、もえもえきゅん」

とか生まれて初めて聞く掛け声をしてきたのでいつもの倍くらい意味がわからない顔になった。ちなみに手で作ったハートは楕円形になっていた。普通の写真ならまず撮り直すレベルだったけれど、悲しいかなチェキは一発勝負なのでそのまま刷られたものが渡された。写真ごと処分するか自分のところだけ切り取るかで迷っている。

ほぼ徹夜明け、糖分過多、精神的な疲労というトリプルパンチを受けてぼーっとしていたらペンライトを配られた。
どうやら1日に1、2回あるダンスショーの時間になったらしい。
メイドさんに合わせてそこそこデカめの手拍子をしていたら途中でリズムが変わって思いっきり変なタイミングで手を叩いてしまった。変拍子とかいう初見殺しをしないで欲しい。
以降は手を叩くのが怖くなったのでペンライトを振っていたのだけれど、そもそも私以外だれもペンライトを振っていないことに途中で気付いて更に不安になった。もう少し殺伐とした世界観のコンカフェなら異端審問にかけられていたに違いない。

ちなみにダンス自体は結構クオリティが高かったように思う。(正直なところよく分からないけれど)皆ちゃんと踊れているようにみえた。
一緒にチェキを撮った子がセンターを務めていたのでやっぱり人気なのかな?と思った。

そして終わりの時が来た。
「そろそろお出かけのお時間です」
会計は入場料とコースの合算額。おおよそ3000円だった。
今回行ってみてメイドさんたちのプロ意識は本当に凄いと思った。ダンスやお絵描きは相当な練習が必要だろうしずっと笑顔なだけでも私には出来ない。趣味に競馬、野球、プロレスとかが並んでいるのをみると話を合わせる為なのかなとか邪推してしまったりした。
確かに彼女たちなら3000円でも余裕でお釣りが来る、と感じる人もいるだろうと感じた。私は気恥ずかしさに耐えられないからもう行かないと思うけれど、それでも経験としては良いものだった。
色々文句を書いたけれどなんだかんだ楽しい時間だったから。

皆さんも経験&精神修行だと思って是非行ってみてね!

もえもえきゅん♡

お絵かきして貰ったちいかわを最後に


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