㉗現場の言葉、其の四。
休憩時間中のランチトレーラー内では、、、
㉖現場の言葉、其の三の続きです。
現場が外の場合、特に親会社やオフィスよりもはるか遠方にある、もしくは人里離れた郊外にひっそりと無人の現場がある場合です。その現場から歩ける距離にいくつもの仮説住宅を設置します。カナダでは、仮設は仮設ですがプレハブみたいなものではなくて、トレーラートラックで運べるような頑丈な仮設住宅、すなわちれをランチトレーラーとしていくつも設置し、小さな村を作る感じになります。これらの名前は『Modular Office』 と言います。
新規のプロジェクトで無い場合には会社やオフィスがそこにあっても、場合によっては数百人単位の職人たちが集まるので、もともとそういう産油地には広い敷地が用意されています。そこにモジュラーオフィスを予定された計画通りに並べます。
まず最初が悩むところですがメインのオフィス、これは通常プロジェクトマネージャーや課長職などの部屋となり、その隣接にはセイフティ(仕事の安全管理や環境管理)の部屋、規模によりファーストエイドの部屋、会議室にオリエンテーションルーム(兼用が多い)、そして我々職人の休憩室(ランチトレーラー)、そして着替えをする場所(ここにつなぎやPPEを置く)、そして最も重要なトイレ。その他でちょっとした小さな村が形成されます。
しかしいずれの場合も仮設住宅なわけですから、電気工事士が居ないと昼でも中は真っ暗ですし、トイレも水が流れません。こういったモジュラーの仮設住宅を専門にする電気工事会社もあります。
このランチトレーラーには通常、一日5~6回お世話になります。朝一に到着後、一息置いて朝の安全集会をして、着替えてから仕事へ向かいます。今まではコーヒーブレイクが一回15分、午前と午後で一日二回、そして昼休みが30分でした。最近の傾向として休み時間と総称して午前と午後に30分ずつ休む会社も多くなってきました。このほうが労使双方効率的です。
そうなると30分間ランチトレーラーにいる事になります。夏の場合は外で椅子に座りながら日向ぼっこも可能ですが、冬は中にいるより方法がありません。この30分が場合によっては大変な苦痛になるのです。
その時に仕事仲間が増員されました。ランチトレーラーには詰め合わせれば60人近い人が座れます。ある日私の向かい側のテーブルに増員で雇われた、とてもフレンドリーなオーストラリア人が、それらしく英語が若干訛っているのですが、問題はそれではありませんでした。彼の朝からの一発目をご紹介します。
凡例:F(ふぁっく)、Fkin(ふぁっきん)
Fあのさ~F今朝Fkin起きてよ~FランチルームでFな野郎がFkinムカついてよ~Fバスに乗ったらよ~Fkin運転手がよ~F偉そうなこと言ってよ~F
とか
F昨日よ~F借りた道具でよ~FkinケーブルトレイによF穴を開けたらよ~Fkinぜんぜん切れなくてよ~Fkinムカついたぜ~F
これを毎日30分一日二回聞かされる私は気が変になりそうにでした。増員用に新たに設置されたランチトレーラーに。仲のよい移民大国の相棒を連れて翌朝一番で席を取りに行きました。避難先は広くて新しかったのでほっとしていたところ、あろう事かこのミスターFと彼の話に相槌を打つのが好きな相方Fもそろって我々の後ろのテーブルにやってきた。
我々二人は彼らが座る前に席を立ったのは言うまでも無い!
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