⑧電気工事会社の面接
立派なビルの事務所へ不安を一杯抱えて面接を受けに行きました。比較的若い男性が社長代理であると自己紹介をして、もう一人初老の男性が社長であると告げました。面接の内容はもう覚えていませんが、まあ一般的なことと仕事の経験についてだったと思う。
一通り面接が済んでから社長は私にコーラを手渡し「今から決めるからこれを飲んで待ってろ!」と言って二人で別室へと消えたました。
面接と言うのはまあ半分も過ぎれば大概の予想はつくものですね。
結果としていつから働けるのかを聞かれ、仕事に必要な工具、服装、安全、そして移動手段について説明を受け、この時にアペランティスという言葉を初めて聞きました。『Apprentice』とは見習いのことを言います。
この当時時給900円で仕事を探していました、現実的に手ごたえのあった仕事の時給はどこも700円台。
ところがこの仕事では見習い一年生『1st Year』としてなんと、いきなり時給1300円ももらえる事になったのです。小躍りしたのは言うまでもありません。
技能職と言うのは現場と事務所は別々の場合が多く、このときも現場は高速道路を使って家から30分の場所でした。幸い居候が宿代の代わりとしてくれたオートバイで助かりました。そうでないと行く手段がなかったのです。
心配だった英語も面接をしてくれた社長代理は「君なら心配いらないよ」とは言ってくれたものの、これまた知らない場所で知らないむさ苦しい男たちに囲まれるだろうと、どこまでも不安でした。
面接が終わってからの時間が一番長かったのです。カナダで技能職になるには、普通見習いになってから始める方法が一般的だということを教えられました。これを『Apprentice』と言いい、初年度は『1st Year』と言います。他にも政府に提出する書類やら、税収についてとか、安全管理とかさまざまな書類にサインしました。
日本でももちろん見習いで始めますが、見習いが学年で分けられているのです。それに応じて給料も上がっていくわけですが、技能士、この場合電気工事士の資格を「ジャーニーマン」と言います。『Jouurneyman』
この期間中に見習い1年生から4年生までの給料体制も州で決められていて、制度として確立されている点がなかなかカナダ的だと思いました。理由としてはいろいろ考えられますが、ジャーニーマンになるまでの間に方々の現場や違う会社での経験をつんで、文字道理ジャーニーをするのでそう言った呼びれ方や、見習い何年生かをきちんと体系付けてやっているのだと思います。会社としても運営しやすいからでしょうか。
取り合えず仕事に行くまでに必要な安全靴『Safety Shoes』(スチールトウと呼ばれる)と、最小限の工具を揃えて期待と不安で胸が高鳴りました。
希望する良い仕事を得て、いざ鎌倉へ!
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