㉔現場の言葉、其の一。
カナダの公用語は英語とフランス語です。
州によって制定されている言葉が違います。もっと分かりやすくいうと、比較的名の知れたモントリオール市はケベック州で、ケベック州の言語はフランス語になっています。
それではモントリオールではフランス語しか通じないのか、と言うとそういう訳ではありません。市内ではもちろん通じるし、生活の上ではそれほど困りません。それでも市内の地域によっては英語が通じないこともありますし、州の北部へ行けば行くほど英語は通じなくなります。中にはYES, NO も理解できない人がいて「本当か?」と新しい感動を思う場合もあります。
当然ケベック州の役所だとフランス語が筆頭です。ただし国の役所では両国語のサービスがあります。無論カナダはどこの州へ行っても州政府では書類も言語も両国語で対応しています。※ケベック州は特別です。
何年か前には押し寄せる移民の数により、さらに州毎に新たな言語の制定として、バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州はチャイニーズが多いので『英語と中国語』。そしてウクライナ移民が多いアルバータ州は『英語とウクライナ語』を公用語にしてはどうかというラジオの話でした。国としての制定は別としてほぼ現状を表しているといえます。
この話は非常に納得のいくものです。何せチャイニーズの多さといったら「ここはカナダなのか中国なのか?」と疑いたくなる程の人の数。当然ながら銀行のサービスも中国語で受けられ所は多いです。調べたわけではありませんが、恐らくケベック州以外のATMは言語を中国語に切り替えて、まるで中国本土のようにカナダの生活を送ることが出来るのでしょう。
話が逸れました。
仕事で使う言葉の話です。現場というのはどうしても肉体労働になり、言葉が汚くなりがちな傾向があります。これは何も日本だけに限らずどの国へ行っても同じなのではないでしょうか。
初めて働くカナダの電気工事業界。この後私は電気工事士以外の現場労働者と関わって、これまでももっとも有名な単語の一つが飛びぬけているということを、身をもって知る事になりました。
これがそれです。
FUCK!
前の店番で働いていたときは気が短い技術者がストレスに追われると、いきなり図面の入ったバインダーを机の上に投げつけ「Fa~~~ck!」と叫んでいました。
ちなみに「Shit !」の使用頻度はさらに多いのは意味合いが軽いからでしょう。ちょっとした失敗やバスを逃したりしたら「くそっ!」とか「畜生!」などと言いますよね。
この新しい仕事場では以前よりもこれこのFを聞く機会が増えました。後に産油関係の会社に転職したときなど、女性電気工事士の言葉の汚さにも圧倒させられました。
シェイクスピアなどは知りませんが英語のスラングって汚いですね。以前バスの運転手とたまたま話していましたが「とにかく白人の言う英語の汚いことといったら無い!」と嘆いていました。私も彼も移民であり、英語が分かれば分かるほどにその気持ちがよく理解できます。もちろん人柄やその人の属する層にもよるのでしょうけれど、、、若者が粋がって使うことが多い気もします。
日本語だったら
『お前のカーちゃん出ーベーソー』(なんと可愛いらしい。)
英語だと
『MOTHER FUCKER !!!』(興味がある方は自分で調べてください。)
事務職なんかはどうなんだろう?其の二へと続く。