#毎週VALIS感想 - 002 ◆ 再見ロマネスク

中華テイストが織り交ぜられた、軽快なエレクトロポップチューン(だと思っている)。瓦利斯飯店の日常パートから始まるのにピッタリな曲風で、ビートが心地良く、気付けばあっという間に曲が終わっており、ついリピートしてしまう魅力のある曲。

初見だと柊マグネタイトさんの曲だと気づけなかった。よくよく聞いていけば鍵盤の音なんかは特徴的だったと思う。

歌詞の内容的には、多少冷められてしまった(浮気もされている?)恋人とマンネリ化してしまっている様子を健気に描いたものだと思っている。考えすぎ?

私にできるのは料理くらいだから、呼び出されて料理を届けるだけの都合良い存在になっていたとしてもーーというような内容に感じられた。

だからこそ、Aメロの「これ持って」が「美味しい料理」だと判明して、そこからサビの「冷めないでよ」に掛かるのがとても上手い。料理を主語に置いて、やや他人事のように描いているのも、自分の感情を幾分か俯瞰視している様子もわかる。

再見とは中国語で「さようなら」を意味している(中国語に詳しくないので温度感はわからないけれど、漢字の意味的には「またね」が近いのかもしれない。サビで何度も登場しているのが印象的)。

歌詞の意味を考えると、この「じゃまたね」が、また会いたいという気持ちのほかに、「これからも」という未来が強調され、非常に切ない。

もしかしたら、どちらかというと「今日こそは別れを切り出す」という話なのかもしれない。好きだけれど、このままこの日常が続くのはしんどいから、別れようとしているのかな。だから、また私のところに戻ってきてくれるまで好きでいたい、っていう歌なのかもしれない。だからこそ、また会えると良いねの「再見」とも考えられそう。

そんな内容の歌詞で、MVではハートを盗みに参上する怪盗になっている。あなたのハートを盗んでみせたい(=私に夢中になればいいのに)、なんて願いやテーマがあるのかなと思った。

日常のソロパートも印象的で、サビで一気に全員揃って歌うところが、変身シーンの魅力をさらに際立たせている。変身シーンめちゃくちゃ好き。VALISにとってはじめ、ショーは戦場だった。だから怪盗として「勝負」する際に初期のサーカス衣装に身を包むのはとても意味があるなと思った。

間奏などでメンバーみんなが走るシーンがあるけれど、その走り方が一人ずつ違うのがとてもこだわりがあって良いなと思うし、「このメンバーならたしかにこう走りそう」というのがイメージ通りなのですごい。

また、ロマネスクというのは、ローマ風の(建築・美術様式)という意味がある。そのほかには「ロマンス」にも通ずる意味のある、「小説のように、数奇であったり情熱的であったりするさま」という意味があるよう。最初に中華風というのを言及したけれど、それなのにタイトルがロマネスクというのも面白く、MVを見てみても、メンバーの潜入先の建物は中華というよりは欧州のそれに見える。NEFFYさんのシーンで後ろに見えるアーチ状の石壁なんかはロマネスク様式のそれなのかもしれない。建築に詳しくないのでわかりませんが……

小説的という意味の方で見てみても、歌詞の内容で言及した通り、恋愛ストーリー上で結構情熱的な内容だと思う。もしかしたら何かオマージュになった作品があるのでは、とワクワクさえ感じさせるようなタイトルだと思った。

1番と2番のAメロのNEFFYさんの表情がどっちも可愛くて好きです。あとRARAさんの側転がめちゃくちゃ印象的だ。




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