#毎週VALIS感想 - 008 ◇ アイスクリーム Covered by NINA
作詞作曲Guianoさん。Guianoさんといえば、優しくて少しだけ切なく、心に響くメロディーの楽曲の印象が大きい。そんな世界観と、いつも笑顔と元気いっぱいなNINAさんの相性はいかに、と気になっていた。
結論から言うと最高の相性だった。これは勝手な印象だけれど、NINAさんは、95%の溢れる元気と、5%の滲み出る翳りが魅力的だと思っている。「良い子」でいることを強要されてきた過去を持つNINAさんは、自分の好きなように生きて良いことをVALISで知り、いまのNINAさんの印象になったと思う。でもどうしても、心の何処かでは真面目さというか、「良い子でいること」が染み付いてしまっている自分がいて、それが時にNINAさんを苛むのではないかと思っている。
この曲はその5%の、ちょっと疲れてしまったのであろうNINAさんの内心を吐露したようなカバーになっている。VALISのなかではNINAさんにしか歌えないのではないかというほど、歌に思いがこもっている。
歌い始めと2番途中からでは歌い方が変わっている。NEFFYさんの言葉を借りるのであれば、アバターとしてのNINAさんとオリジンとしてのNINAさんとで歌い分けているのではないかと思う。この歌に込めたNINAさんの「叫び」(I scream)は、より等身大に感じられる。
何もかもアイスクリームに混ぜれば飲めるかな、という小さな願い。でも、おそらくたくさん抱えているであろう「何もかも」は、全部アイスクリームに混ぜて流し込むと、お腹を壊してしまう。「できないというのはわかっていても」と、自嘲的な笑みを浮かべる様子さえ想像できてしまう。
ひとに真に元気を与えることができる人間というのは、日陰の歩き方を、景色を、太陽の眩しさを知っている人間だとぼくは思っている。NINAさんのこの歌からは、そんな様子が感じられ、ぼくがNINAさんからいつも元気をもらえていた理由がなんとなくわかった気がした。
ぼくがVALISを知ったときにはすでにNINAさんは活動を休止していた。だからリアルタイムでNINAさんの活動を追えてはいない。VALISにハマっている身として、唯一そこだけがつらい思いだ。これまで他のメンバーに伝えてきた想いを、NINAさんにも届けられる日が来ることを祈っている。
そして、NINAさんの何よりすごいのが、ぼくがリアルタイムじゃなくてもNINAさんからたくさん元気をもらえたような、その本物のエネルギーだと思う。何度「今日も頑張ろう」と思えたことか。本当にすごい。
どうか、一日でも早くNINAさんがみんなの前で笑えますように。
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