#毎週VALIS感想 - 014 ◆ 天命系メルト
作詞ぽんさん作編曲安宅秀紀さんによる、シンセサウンドが印象的なエレクトロポップチューン。MVで表現されるネオン感でかわいさやカジュアルさを表現しながらも、サウンドは派手すぎない、絶妙なバランスを保った一曲。
表裏のある人間性と恋愛的な駆け引きがテーマになっている歌詞。ぽんさんのポップで少しミステリアスなトーンが良い奥行きを出している。裏を返せば、どちらも「わたし」だから、どちらも芯から愛すような溶けるような恋愛をしようよ、そんな曲なのではないかと思った。
かと思えば、時系列的にはピグマリオンの次の楽曲、「こちらへおいで」「扉ひらいて」など、新しい場所へ来たことも暗に示されていてVALIS新章を追いかける楽曲になっている。背景もネオン街な深脊界。恋愛の駆け引きに思えた歌詞も、VALISの持つ多重性というテーマにシンクロしており、単なる「メルト」な恋愛曲というテーマにとどまらずにいる。新しい世界で新しい姿でわたしたちはここにいるよ、というヴァンデラーに向けた曲とも捉えられる。
天命というのは、天から与えられた使命とか、天のめぐりあわせとかそういう意味だ。溶けるような恋をするのが、あなたに出会うのが、わたしの天命だ。そんな感じの意味がある楽曲なのではないかと思った。深脊界に来てこれから何が待ってるんだろうというワクワクが伝わってくる。
メロディーやフレーズも癖になり、頭に残る。まるで脳が溶け出してしまっているかのような、中毒的な錯覚に陥る。つい口ずさんでしまうような、そんな楽曲だ。イラストも、新しい世界を歩いて新しい景色に心躍る、そんなVALISに見える。