削ぎ落す勇気
こんばんは、moikoです。
前から気になっていたフランソワ・ポンポン展に行って来ました。
ポンポンさん、名前も可愛いけど作品も可愛かった!余計なものを取り払ったデフォルメとも思えるフォルムがとても美しくて、今にも動き出しそうな躍動感もあってすごいなぁと思いました。どれもすべすべで全部触ってみたかった!
彫刻は最も自分から遠い美術だと思っています。小学校の時、石鹸の塊で立体彫刻でクマを彫ったのですが、立体の想像ができなくてずいぶん不格好なクマになってしまった思い出があるので…。
石膏、大理石、ブロンズなど色々な材料があったけど、ブロンズに色付けできるのを初めて知りました。緑とか金になってるのは錆びてきているのかと思っていたら、意図的に染められたものでした。
ポンポンさんは「考える人」で有名なロダンの工房で働いていた人で、当時彫刻と言えば人物が主流で動物を彫刻にするのは珍しかったみたいです。動物園に通いつめたため、彼が行くと動物がついて来るようになったり、動物園にいない異国の動物は知人にポストカードを送ってもらって作成したりしたそうです。シンプルな動物のラインは、動物の骨格の理解や卓越した観察力があるからこそできたんだろうな。展示物を通して、ポンポンさんの温かい人柄、動物への愛も感じました。
そして、ポンポンさんの代表作「シロクマ」はなんと最晩年の67歳に製作されました!
年月を経ると余計なものがそぎ落とされて、よりシンプルな美に向かっていく。大切なものを見極めて、余計なものを削ぎ落していく。それははずいぶん勇気のいることだな、と感じました。それに、ずっと情熱を失わず彫刻を続ける人生もすごい!人間、いつ花開くかは分からないものなのかもしれません。続けていれば、みんなきっといつか花が咲くことを信じたいです。花の種類は選べなくても必ず実はなると。
3月29日まで佐倉市立美術館でやっているので、ご興味のある方いらっしゃったらぜひ行ってみてください。佐倉の町は武家屋敷や竹林などもあって、昔の城下町の風情を残すのんびりした町なので、町歩きも楽しかったです。城址公園は今時期桜がとてもきれいですよ。