【標高1,000mの家】哲学的思考空間

台風がせまっているので、 標高1,000mにあるポツンと一軒家を巨大なタープでおおう。 当面の課題は、目前の台風をやりすごすこと。 それ以外の問題は、あとまわしにしてもかまわない。 (もしくは無視してもかまわない。) という奇妙な安心感につつまれる。

【標高1,000mの家】哲学的思考空間

台風がせまっているので、 標高1,000mにあるポツンと一軒家を巨大なタープでおおう。 当面の課題は、目前の台風をやりすごすこと。 それ以外の問題は、あとまわしにしてもかまわない。 (もしくは無視してもかまわない。) という奇妙な安心感につつまれる。

最近の記事

夢見が悪い

昔、父は奇妙な夢を見ると夢見が悪いといって 親族の心配をしたりしていました。 寝る前に、昨夜は夢見が悪かったんじゃが、何事もなかったようじゃな そんなことをつぶやいて寝床に入ったりしていました。 父の夢見がおよぶ親族の範囲はかなり広く 自分の妻子だけでなく、親や兄弟の家族にまで ときどき、叔母(父の妹)が 夢見が悪いといって電話をくれたりしますが 叔母の場合は、甥にまで その範囲が広がっているということになります。 先日、とても気持ちの悪い夢を見ました。 どこか

    • ピロリ菌の検査結果は陰性です。

      検査結果を聞きに来ただけなのに 1時間も待たされて、やっと診察室に通されたかと思ったら 目の前に短冊状の紙切れを差し出されて ピロリ菌の検査結果でしたね。陰性です。 とだけ医師に告げられる。 「よかったですね。もうあなたの胃の中にはピロリ菌がいないので これ以上、お薬を飲む必要はありませんよ」 みたいな、親切な言葉はないんかい。 なので自分から ありがとうございます。 じゃあ、ピロリ菌の除去に成功したんですね。 はい。 ピロリ菌の除菌成功者のひとりとして 参考になるか

      • 萩原さんのはなし

        昔、二十歳くらいのころ、萩原さんという3歳くらい年上の先輩がいた。 彼は、黒い3代目日産ブルーバードに乗っていた。 黒いボディに黒い鉄チンホイル、しっかりとした太目のタイヤ、車全体が統一された立体感のある美しい車だ。 私は萩原さんのブルバードが好きだった。ひそかに憧れていた。その当時萩原さんには三野さんという笑顔の素敵な彼女がいた。おそらく彼女も萩原さんのブルーバードがお気に入りだったはずだ。 やがて萩原さんの前には、三野さんよりも遥かにランクの高い飯田さんという美女が

        • ジムニーの模型を買う

          自分のキャンプスタイルは、車の横にサイドタープを設置して、そこで焚火や料理、酒などを楽しんで、寝るのは車内。 どのようにタープを張れば、より快適に過ごせるのか、そんなことを考えるために、1/32サイズのジムニーの模型を買った。 1/32サイズのタープやキャンプギアをつくって、ジオラマのようにしても楽しそうだ。

          標高1,000mに住むための車 JB64

          標高1,000mのポツンと一軒家に住むにあたって、真冬の凍結した道も走れる4駆を物色していた。若いころに乗っていた2サイクルエンジンのジムニーを探したけれど、状態の良い中古車があるはずがない。 それで、中学時代の同級生が夫婦で営むディーラーで新型ジムニーを購入することにしたのだが、納車まで1年以上、へたすると2年くらいかかるという。なんでそんなにかかんねん。って聞いたら、人気が高くて製造が追っつかないのだとか。 注文して1年くらいして、ジムニーのことなど忘れかけていたころ

          標高1,000mに住むための車 JB64

          かぼちゃの種

          かぼちゃと鶏とナッツの炊き込みご飯をおにぎりに。 鶏は適度な大きさにカットして塩と酒をも見込んでおく 研いだお米に砕いたナッツを混ぜて、上にかぼちゃと鶏をのせて炊く。 昔、まだ香港に九龍城があったころ 迷路のような路地にかぼちゃの種が所せましと干してあった これどうするんですか?ときくと 食べるんですよ。こうして。 と言って前歯で種の端をカリッと噛んで食べ方を教えてくれた。

          再生

          倶胝禅師の教え

          私たちは、なんでもできる空間にいる という当たり前のことに目覚める。 なんにもできないというのは なんにもしない人のいいわけである。

          ブリトー

          小麦粉と玉子をこねてトルティーヤを焼き、ブリトーなんてどうだろう。これだったら、ご馳走感があって楽しい。 トルティーヤは我流である。小麦粉200gに玉子2個、塩すこし、天ぷら衣程度の濃度に水で溶き、オリーブオイルをひいたフライパンで両面を焼く。 具材は、エビ、ミント、ニラ。ミントは泉の周辺に大量に自生している。こういうとき、とても重宝する。 ソースは、田舎みそ、ナンプラー、チリトマトなどの好きなものでかまわない。 トルティーヤは、ラップをして冷蔵保存できるので、作り置

          新しい空間

          昔読んだすこし難解な大燈国師の禅書を読み返している。 行間に立ち現れてくる新しい空間(世界)をどのようなわかりやすい言葉で言い表したらよいのか。 若い大燈国師は師匠の大応国師から難題をだされて頭を抱えていた。 ある晩、むしゃくしゃして窓辺の机に鍵の束を放り投げたところ 「がちゃ」という音がした。 そのとき大燈国師は「がちゃ」という音とともに 新しい空間(世界)が出現したと感じたらしい。 いちど死んで生まれ変わった新しい空間(世界) 古代中国のある禅師は、ただ指を立てて

          アドビのイラストレーターを起動して あ、ボッティチェッリさん。。 とつぶやいたことはないだろうか。 海の波間の泡から誕生したというビーナスは 水の泡がはじけるような声で話すらしい。 ペプシの瓶に耳を近づけたときに聞こえてくる ピチピチと泡のはじける音。 暗い台所の水滴の音。清流の水の流れる音。プチプチとした泡の音。 ところで私もときどき、水になるというお話。 SNS上で悪意のあるアンチコメントにさらされているときは ただただ、耳の奥底で、水の音を聞いている。 あからさ

          3日間

          相棒(紀州犬メス13歳)の手術をした。 (しこりのある乳房と、半年以上出血の止まらない謎の傷の2カ所) 術後3日間は、化膿止めの薬を与えて、できるだけ安静にしておかなくてはならない。 なので 3日間は外出せずに相棒を観察(なめたりしないか)しながら、本を読んで過ごすことにした。 逆に言えば、外出せずに読書をするための(公正明大な)時間を持つことができた、ということになる。 つまり 読書する時間をうしろめたく思わない 良い口実ができたのである。

          時間

          ここは特別だ そう思え そう思って時間をつくるのだ 中世から残るレンガ造のビル 建築家はそのビルの屋上に ガラスの長方形を重ねる そうやって 膨大な無限の時間から 必要とする時間を切りとっていく 時間は、そうやってつくるしかないのだ

          ピンチョン

          トマスピンチョンのまだ読んでいない長編をアマゾンで買おうとしたけど とにかく高い。 ので、市立図書館で借りることにした。本棚の本を整理している女性職員のもとへいき、トマスピンチョンの○○という小説をお借りしたいのですが、ありますか? 落ち着いたとても丁寧な職員だ。 すぐに調べますのでこちらへ。 カウンターへ向かう途中ですこしふりむいて、えと、トマスなんでしたっけ?ピンチョンです。 カウンターに入り、また、ピ? ピンチョン!です。 と、大きな声で分かりやすく発声したもの

          哲学的思考空間をつくる

          台風が近づいてきているので、山の上に建つ家をタープで包んだら、みょうに落ち着くという話。 そういえばむかし、こういう巨大な家や塔、教会などをテントで包むアーティストがいましたね。 おかげで室内は真っ暗、なのにどうしてこんなに居心地がいいのか。 当面の最重要課題は台風を無難に遠ざけること。それ以外の問題は、後回しにしてもよいという状況が、この奇妙な安心感を生み出している。

          叔母の49日法要でびっくりした話。

          先日、叔母(母の妹)の49日法要に参加してきました。 きらびやかな本堂に、住職の厳かな読経が響きはじめる。 参列者はみな、故人の冥福を祈って手をあわせる。 とそこへ なにやらだみ声のお経らしきものが加わり、それが徐々に大きくなっていき。 やがてそれは、住職の声よりも高く大きくなる。 声の主は、最前列に座る高齢男性。 住職はそれをとがめることなく、当たり前のように読経を続ける。 (おそらく、この高齢男性はこの寺の檀家で、以前にも何度かそういうことがあったのでしょう。またこ

          叔母の49日法要でびっくりした話。

          標高1,000mの山の上で暮らす

          標高1,000mの山の上で暮らして5年になります。今回は、ここでの暮らしはどんなものなのか紹介します。 この時期、車で1時間ほど下った街は40℃近い猛暑日が続きます。買い物などでたまに下山しますが、いつも思うのは、ここは人の住む場所ではないということ。 ここ、標高1,000mのポツンと一軒家は、どんなに暑い日でも30℃を上回りません。そのためクーラーはなく、夜になると20℃程度まで気温がさがるので、薄い羽毛布団が必要です。 8月の末になると、赤トンボが飛び秋虫が鳴きはじ

          標高1,000mの山の上で暮らす