特別な1軒~私にとって始まりの店~
15年前。
長崎から上京した私。
まずやるべきこと。それは家周辺をチャリで散策すること。
散策中、この辺りでは浮く程の人の列が目に飛び込んできた。
「なんや、この行列!?」
行列の先頭を見てみると、どうやらそこはラーメン屋さんのようだ。
「ラーメン屋にこがん人が並ぶとばいね!やっぱ東京はすごかねー!(標準語訳→ラーメン屋にこんなに人が並ぶんだね!やっぱ東京はすごいなー!)」
長崎出身の私はラーメン屋に行列が出来るという環境下にいなかった為、生でこういうのを見るのが初めてだった。
その時は並んでまでラーメンを食べたいという欲求がなかった為、今度空いてたら入ってみよーと思いその場を後にした。
それから幾度となくそこを通ることがあった。
毎回行列。ほんと毎回。
「なに、この店。そんなに美味いの?」
それからまた暫くしたある日。
また店の近くを通ったのでちらっと覗いてみたら、やはり行列。
でもこのぐらいなら並んでみるかぐらいの行列だったので、最後尾に連結。
初の行列ラーメン店。しかも1人で。ドキドキ。
数十分経過して、店内へ。ドッキドキ。
食券を購入する。ドキドキドゥキドゥキーッ!
胸の鼓動がどんどん加速する。
おそらく看板メニューであろう食券を渡し、カウンター席に座り、ラーメンを待つ。
店内ではサザンオールスターズが流れている。
ちなみにサザンで1番好きな曲はLOVE AFFAIR。
当時の私はそんな事を考える余裕もなく、落ち着かずソワソワ。
今まで行ったラーメン屋とは雰囲気が違う。
お店側の姿勢もそうだし、お客さん側の姿勢もそう。
「美味しいラーメン食べさせてやるぞ~!」VS「美味しいラーメン食べに来たぞ~!」
今日のメシは別に何でもいいなー。ラーメン屋あるからここにするかー。的なお客さんは皆無。
ちゃんとラーメン食べる事を目的とした人達が集う。
そんな雰囲気を醸し出している店内。
結構醸し出してるなーと思ってた所に、ラーメン着丼。
私が頼んだメニューは中華そば。
いただきます~ごちそうさまでしたまでをかなりの速度で啜り切った。
店を出た。
「あー、うまかったなー。。。」(全身に染み渡らせる感じで)
ラーメンに関しての感想はこれ以外必要なかった。
そのあと「やっぱ東京はレベル高いなー。。。」と、ラーメンの経験値全くない状態にもかかわらず、さも各地でラーメン食べ歩いてるんですよねわたし的な感想が出るほど、素敵なラーメン屋さんだった。
そこからはこの店に行きまくった。啜りまくった。
昼食も夕食もここっていう1日を何日も過ごした。
そこからラーメンにハマっていき、雑誌とか買ったりして、いろんな店を食べ歩くようになった。
そこから早15年。
初めて好きになったこの店は今でも変わらず1番大好きな店。
1996年にオープンし、今尚第一線を走り続ける。
東急池上線荏原中延駅。
【中華そば 多賀野(たかの)】
機会があれば皆さん是非とも。