どめさん(気象予報士@鉄道会社)

気象予報士@西日本の鉄道会社です。運転士、輸送指令員、システム開発などの業務を経験。いまは運用計画担当。個人的には、台風・大雪予想時の計画運休など、運輸部門の鉄道防災、鉄道気象に関心あり。 安全・防災関係の資格:気象予報士、気象防災アドバイザー、第一種衛生管理者、応急手当普及員

どめさん(気象予報士@鉄道会社)

気象予報士@西日本の鉄道会社です。運転士、輸送指令員、システム開発などの業務を経験。いまは運用計画担当。個人的には、台風・大雪予想時の計画運休など、運輸部門の鉄道防災、鉄道気象に関心あり。 安全・防災関係の資格:気象予報士、気象防災アドバイザー、第一種衛生管理者、応急手当普及員

最近の記事

初めて発表された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」

8月8日に初めて気象庁から発表された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」。 初めてのことで、試行錯誤した方も多いと思います。(8月15日17時に「政府からの呼びかけ」終了) 災害対策基本法に基づく指定公共機関はじめ、多くの企業等では準備されていたと思いますが、いざ運用してみると、十分準備できていなかったと振り返ることもあると思います。 「避難先を注意しながら、旅行などの社会経済活動は予定通りでよい」との呼び掛けもありましたが、交通機関が特急列車運休や徐行運転をおこなっ

    • 鉄道の計画運休について

      関東地方に接近した台風7号。JR東海さんが8月16日に東京~名古屋を終日計画運休にされました。暦日で2日前には発表していたため、著名人から「決めるのが早すぎ」コメントがあるなど話題になっています。 たしかに、予報精度も考慮して具体的な運転計画は前日に発表することが多いのですが、満席の列車も多いお盆輸送の時期であり、お客様(ネット予約ではないきっぷの方も多い)に前日・後日移動に変更などの行動変容していただくにはリードタイムが必要との判断で早めに発表したのではないかと推測します。

      • 「ヒューマンエラー」と「ヒューマンファクター」

        1月2日に発生した日航機・海保機事故。事故後の報道やSNSなどで拡散される情報が「原因究明より責任追及」に偏っていたことから、 航空関係の労組などで組織する航空安全推進会議から1月3日に緊急声明が発表されました。 航空事故のほか、鉄道事故、医療事故なども含め、事故の再発防止を考えるためには、責任追及から離れて、原因究明が重要です。責任追及が優先になってしまうと、事故の当事者は真実を明らかにしにくくなり、原因究明に支障をきたすことになります。 2005年の福知山線列車事故など

        • JR西日本あんしん社会財団 安全セミナー(ASUKAモデル)のご紹介

          JR西日本あんしん社会財団 安全セミナーのご紹介です 2023年11月26日(日)14時~16時  会場(新大阪)とオンライン 演題  命を守るために ~ASUKAモデルへの想い~ 講師  桐田寿子さん(ASUKAモデル関係ご遺族) 無料 (背景(以下私が書いてます)) ASUKAモデルについては、救命講習などでも上映される動画がYouTubeにもあります。(この動画、泣けてきます・・・) 2011年9月、さいたま市の小学校で6年生の桐田明日香さんが駅伝の課外練習中に倒

          鉄道の計画運休と、内閣府の『避難情報に関するガイドライン』を、勝手に無理矢理に対照してみる

          2023年台風7号が接近し、鉄道各社から計画運休の運行計画が情報提供され始めた8月14日頃、テレビで複数のコメンテーターが発言した内容が話題になったようです。その中には、もと大阪府知事・もと大阪市長の橋本徹さんのご発言「どういうリスク評価をしているのかはしっかり明示してもらいたい」(という趣旨)もあったようです。 これについては、 東海道・山陽新幹線で 8月15日:名古屋~岡山で終日計画運休 8月16日:計画運休の実施無し。静岡県内で大雨による運転見合せ。長時間駅間停車を避け

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          テレビ大阪さん動画「計画運休の基準がワカラン!」

          テレビ大阪さんが、夕方の「やさしいニュース」で放送した「計画運休の基準がワカラン」(大雨での計画運休、JRは回数多いが ほかの鉄道の基準はどうなの?)の動画をYouTubeで公開しています。(2023/6/15) 鉄道事業者に所属するひとりとしては「計画運休」に対する理解を深めてくださることには大変ありがたく思います。 しかし、わからないことをわかるようにする趣旨で放送や動画制作をしてくださったと思うのですが、もやもやがあまり解消になっていないような気もするので、余計なお節

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          『計画運休時の出退勤ガイドライン』東京都

          大雨や台風の季節になりました。6月に入り、さっそく線状降水帯による豪雨がありましたね。 近年、大都市圏でも実施されるようになった交通機関の計画運休ですが、大雨や台風の正確な予報が難しい場合などには、「運転を見合わせる可能性があります」の情報提供で(具体的な計画運休はせずに)列車は運行し、雨や風が運転規制値に達したら(達しそうになってから)運転見合わせになるケースもあります。 交通機関の計画運休は、世の中全体の「タイムライン防災」の取組みなのか、「交通事業者の混乱防止」の取組み

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          『マンガと図解で身につく よくわかる天気・気象』

          ユーキャンの「マンガと図解で身につくよくわかるシリーズ」から、『よくわかる天気・気象』が刊行されました。 (発行元:ユーキャン学び出版、発売元:自由国民社、税込み1,870円) 日本気象予報士会が監修、日本気象予報士会有志グループが執筆しています。 私も、「Part4 生活に密接に関係した気象の世界」の「鉄道と気象」で執筆に協力しています。 (3ページだけに限られていますが・・・) 鉄道防災の特徴、運転規制、計画運休、特急サンダーバードのう回運転に触れています。 そのほか、

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          JR西日本あんしん社会財団 安全セミナー(タイムライン防災)のご紹介

          JR西日本あんしん社会財団 安全セミナーのご紹介です https://jrw-relief-f.or.jp/seminar/safety/ 2月23日(木・祝)14時~16時  会場(尼崎市)とオンライン 演題  新たな防災計画、タイムライン防災を学び、作ってみよう 講師  東京大学大学院 松尾一郎教授 無料 #防災 #減災 #JR西日本 #安全 #タイムライン防災 #タイムライン #計画運休 #気象予報士 

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          台風接近時等における鉄道の計画運休について

          先日2022/3/13、日本気象予報士会関西支部の気象懇話会というイベントで、表題の話題提供をしてみました。以下、概要です。(参考資料などのリンクは後半にあります) 台風接近時等における鉄道の計画運休について、一般的なお話をします。 ※ひとりの気象予報士の立場で話題提供します。勤務先の鉄道事業者を代表するものではありません。 【話題提供の目的】 防災や、混乱を小さくするために実施されている「計画運休」で混乱を生じないように、理解を深めていく ⇒「タイムライン」など防災の普及

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          鉄道の計画運休についておさらい

          ※以下、わたくし個人の見解です。鉄道事業者に勤務する、ひとりの気象予報士の立場で書いていますが、組織を代表するものではありません。 鉄道の計画運休について、おさらいします。防災に関心がある方に読んでいただき、知識を習得したり理解を深めたり、災害が予想されるときの行動変容(リスク回避行動)の参考にしていただければ幸いです。 「計画運休」・・・流行語大賞では2018年ノミネート入り、2019年トップテン入りとなりました。首都圏で大規模に行われるようになると、注目度が一気に高ま

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