コーチングセッションの手ごたえについて
先日Xでとある方とディスカッションさせていただいたのですが、
「コーチングセッションで手ごたえを感じない」という悩みについて色々と思うところがあったので、こちらに考察を出しておきたいと思います。
「手応え」って何?
コーチングセッションをやった後に
「あまり手応えを感じなかった…」
「クライアントがどのくらい満足しているか不安」
などといった声を耳にすることが良くあります。
「うん、わかるよ!」
セッションが終った後に、
「今日のセッション満足してくれたかな」
「クライアントは何か新しい気づきをえられたかな」
「クライアントに新しい変化をおこせたかな」
…
などなど心配しだしたらきりがない。
特にコーチングサービス提供を始めた初期のころは、実績もないし、自信もないし、本当に自分は価値のあるセッションを提供できているのか⁈
とても不安になることがありますね。私もそんな想いを経験済みです。
一方でこの「手応え」ってコーチが感じる「手応え」ですよね。
ではコーチは何をもってして「手応え」を感じるの?
恐らく多くの人にとって、
クライアントが気づきを得た瞬間を確認できたり、
クライアントは満足そうな表情で帰って行ったり、
「よかったです」とコメントしてくれたり、
モヤモヤしている人にとってのコーチの「手応え」とは、この辺りではないか、と思います。
これって、コーチ自身にベクトルが向いていると思いませんか?
クライアントが喜ぶことだけが良いセッションではない
クライアントが「よかったー!」「元気になったー!」「満足だー!」
と言って帰るセッションだけが果たして良いセッションですか?
もちろんそれは良いセッションであることが多いでしょう。
一方で、セッションが終った時にはまだ頭の整理がつかなかったけれども、あとでジワジワとコーチの言葉が心に残るセッションの経験はないでしょうか?
セッション中はショックを受けたけれども、後になって考えてみると、セッションを受けるとことで、自分は事実という鏡の前に立ったのだ、と気づいたセッション。
クライアントにとって心地の良い声掛けをするセッションがよいセッションとは限りません。コーチは時にはクライアントにとって耳の痛いフィードバックをすることもあります。
クライアントはそうした声がけをセッション中にはまだ受け止めることができない事もあるでしょう。もしくは受け止めを拒否する人もいるでしょう。
でもその声掛けが後になってボディーブローのようにジワジワと効いてくることも時としてあるのです。
コーチングの効果はすぐに表れるものではない
コーチングとは一回のセッションで直ぐに変化を起こせるようなそんな簡単なものではありません。ダイエットのように少しづつ少しづつ変化を加えた結果、トータルで大きな変化を感じられるのがコーチングの効果です。
コーチは一度や二度のセッションでクライアントの反応に一喜一憂するのではなく、長期的な視点でクライアントの変化や成長を見守ってあげたいものです。
自ら嫌われる勇気
だからコーチは、クライアントに気に入られようとする必要などありません。嫌われても今その人に必要な声掛けをできるコーチが本当にクライアントの成長をサポートできるコーチだと私は思っています。
セッションでクライアントが不満そうな顔をしてもいいのです。
セッション終わりにクライアントが笑顔になっていなくてもいいのです。
いつかどこかの時点で、あなたのセッションがクライアントの記憶にふっと蘇れば、そのセッションは大成功です。(でもそれを知るすべはコーチにはない)