中小企業診断士になろう vol.3 一次試験の振返り
2年分の遠回り
科目合格制度について、前回の記事で書きました。これは一次試験の科目合格が翌々年まで有効というものですが、私は3年目で一次試験をクリアしましたので、この制度をフルに活用したとも言えます。
今回は、2年分の遠回りをした失敗経験から得たものを、書いていこうと思います。
一次試験結果(2021年度)
2021年春に中小企業診断士を志して、一次試験の8月中旬までが、正味約4カ月でした。4カ月で、仕事も家族の時間もほぼ犠牲にせず、一発クリアしたという話はあまりなさそうでしたが、志は高く、一発合格を目指しました。
結果は7科目中3科目合格。早稲田大学のキャンパスで、試験終了時にはやり切った感と、既に自己採点をする前から悔しさを感じていましたが、この結果には、現実が甘くないことを思い知りました。
経済学・経済政策 56点
財務会計 44点
企業経営理論 67点(科目合格)
運営管理 66点(科目合格)
経営法務 44点
経営情報システム 60点(科目合格)
中小企業経営・中小企業政策 36点
一発合格が出来なかった原因は単純に演習不足。
最初、試験範囲を理解するのに思った以上に時間がかかってしまい、過去問演習が足りてなかったことが、全体的に点が低かった要因だと思いました。
過去問演習が大事、とはいろんなところで言われており、それは真実だと思います。過去問でアウトプットすることが、インプットするよりも脳に対して効果的だからです。
そして、過去問演習が出来るように、試験範囲の知識を通して学ぶ効率も、とても重要な要素だと個人的に思います。インプットが何もない中では、アウトプットの訓練もまた質が下がってしまうので。
一次試験は4択や5択の選択肢を選ぶ形式です。ここで、演習をすると分かってきますが、1問につき、必要な知識が2つや3つ絡めて問わたり、応用を利かせた考察が求められます。なので、部分的な知識では、選択肢を2つに絞り込めても、最後に決めきれないという事が起こります。
この「決めきれない」状態が多発している状態が、40~60点台の点数になります。なので、60点以上をとるには、試験範囲全体を通して、確かな知識を求められると言えます。(本当に、よくできた試験だと思います)
そして、この応用力が最も顕著に求められるのが「財務会計」だと思います。簿記3級を、この中小企業診断士を受験すると決めた直前にとっていたのでなんとか戦えました。簿記3級をまず取る、というのは、知識の整理をするうえでも有効な手段だと思います。
苦手意識があまりなかった「財務会計」をクリアできなかったのは、簿記3級レベルよりは求められるレベルが高かったこと、そして本番での計算ミスだと思います。自分としては悔しい失敗となってしまいました。
一次試験結果(2022年度)
結果からいうと、21年度の手ごたえに胡坐をかいていたと言えます。そして、1発勝負の試験の怖さを痛感した経験でもありました。
経済学・経済政策 56点
財務会計 60点(科目合格)
経営法務 60点(科目合格)
中小企業経営・中小企業政策
62点?点(科目合格のはずが…)
試験は「経済学・経済政策」から始まるのですが、22年度の試験は難易度がかなり高かったと思います。特に応用力が問われるような内容だったと感じました。つまり、過去問を繰り返すだけでは安心できないということです。
1年目から、苦手科目のイメージがなかった経済学・経済政策で躓いたことで、メンタルに悪影響が出ました。さらに悪い結果として、「中小企業経営・中小企業政策」でマークをずらしたようで、自己採点では科目合格だったのに、結果は不合格でした。
逆に、このメンタルへの悪影響があった中、さらに「経済学・経済政策」同様にかなり難易度が高かった「財務会計」と、科目合格が一番難しいと言われる「経営法務」を60点でぎりぎり凌いだのは大きかったです。これは逆に最低でも60点を取れる準備が出来ていたとも言えましたし、1年目の失敗を繰り返さなかったことは収穫とも言えました。
一次試験結果(2023年度)
この2年の失敗を生かすために、必勝で臨んだ甲斐あって、狙ったような点数が取れました。過去問演習を踏まえて、何を把握しておくべきか、まで解像度を上げた勉強が出来た結果だったなと思います。この具体的な方法論は別で書こうかなと思います。
経済学・経済政策 92点
中小企業経営・中小企業政策 74点
累計 479点/700点
時間はかかったものの、各教科で学ぶべき要素の「解像度」を上げることが、二次試験への条件になっていると感じました。
そして何より、出来るだけ、勉強時間を仕事・プライベート両方ともに影響が出ないように捻出したつもりではあるものの、それでも3年目にまでかけてしまい、申し訳ない気持ちと感謝の念にかられました。
二次試験を控えて
二次試験まで、あと2か月を切りました。二次試験は長い文章(与件文)を読み込んで、設問に文章で回答する形式です。
いま、二次試験の勉強を進めていますが、この二次試験もよく出来ている試験だなと思います。やっぱりここでも、「こういうことだよね。」と解像度の高い知識を的確にアタマの引き出しから出すことが求められています。そして、限られた字数制限の中に要点を整理して伝える文章にする力も。
二次試験には、模範解答がありません。採点基準が見えないのです。なので、やるべきことが見えづらいのが特徴です。
量は多いけれど、やるべきことがより明確な一次試験にかけてしまった時間を思うと、焦りはありますが、頑張って準備を進めたいと思います。
スケートの練習には、なかなか行けないですが…。
次回は、各科目の勉強方法や論点について、勉強の合間に書いていこうと思います。