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おばあちゃん家みたいな


昨日、新人が給湯室で四苦八苦していた。

今どきのオフィスとは異なり、私の勤め先には水やお湯やお茶が出るサーバーなんてない。若手はみなそれぞれのティーバッグでお茶を淹れるけど、コロナ禍でも共用の急須を使ってお茶を淹れる一派がしぶとくいる。

その急須を新人が洗うと申し出てくれたのだ。
大学を卒業したての彼の、ピッチピチの手には、急須が握られている。

「この、網みたいなの、どうやって洗うんですか?」

彼は、流し用のたわしで急須の中の茶漉しを洗おうとしていた。まず、たわしを食器用スポンジに持ち替えさせた。

「手で洗ってもいいんだけど、茶葉がこびりついているから、スポンジで洗ってごらん。」

と言うと、神妙に洗い始めた。

「僕、お茶っぱを急須に入れてお湯注ぐのって、おばあちゃん家でしか見たことなくて・・・。」

聞くと、自宅でお茶と言えば、冷蔵庫に入っている冷えたやつのことだそうだ。軽いカルチャーショック。今どきの人はそうなのか。お茶って淹れるものではなくて買うもの!

新人さんからすると、うちの事務所は確かにおばあちゃん家みたいな感じなのかもしれない。価値観が頑固で古いのだ。リモートでなくて、事務所に集まって仕事すること自体が、昔ながらのスタイル。朝と昼と夕方にチャイム鳴るし。いまだにファックスでのやり取りだってある。

そういう目でみると、うちの事務所がおばあちゃん家に見えてきて、逆に、がぜん面白くなってきたのであった。

ハトちゃん(娘)と一緒にアイス食べます🍨 それがまた書く原動力に繋がると思います。