そこで正解したいのよ
「ほらほら!あれだよあれ。この前おいしかったやつ。あれ食べたい。」
娘のなぞなぞが難しい。
それは大体夕方に始まる。
「ねえ今日さあ、何食べたい?」
っていう私の問いかけに応えようとして、食べたい料理を娘が一生懸命に説明してくれるが、これが難しい。
「カレー」「ハンバーグ」「スパゲティ」「オムライス」
子供が大好きな王道のメニュー名であれば、娘も知っているから名前ですぐ分かる。
娘は「名もなき料理」を説明しようとしている。または、「名前を知らない料理」。平日に私が作る夕ご飯は、大体、名前がない。その日冷蔵庫にある在庫、完成までの時間、食べる人数、などの関数によって導き出された今作れる最大限に美味しくかつ限りなく簡単で洗い物の少ない料理を、私は瞬発力で作っているからだ。
娘は食べた時のことを思い出しながら、
「なんだかね、茶色だった」
「お肉だった」
「ちょっと甘い」
「にんじんが入ってたの」
というぐあいに説明を試みるが、答えは近づいてこない。大体の料理は茶色だし、娘は牛豚鶏の区別がつかないし、大体の料理はちょっと甘いし、娘は野菜嫌いなので嫌いな野菜だけをフォーカスしたり好きな野菜だけをフォーカスしたりする。
なぞなぞの結果は、大体、間違っていることが多い。
残念。
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そもそも誰かに「カレー」の名前を伏せて食べたいものを説明されたとしても、正解を出すことができるのかなあ。
小さな幼児
「それはぬるいの。そして具はほとんどつぶしてあるの。色は黄色。コーンが入っているの。(ドラえもんカレー)」
北海道民
「汁はシャバシャバしていなければならない。肉は骨つきの鶏肉。野菜は大きめでゴロゴロしてるに決まってるっしょ。(スープカレー)」
インド人
「香辛料で味付けした豆、芋、オクラなどの野菜が別々の深鉢に入っている。楕円形に引き延ばした焼き立ての生地と一緒にたべるやつ。(タリー)」
夫
「ニンニク香辛料ヨーグルトに漬け込んだ手羽元と飴色玉ねぎのハーモニー。(我流)」
全部、違う料理に思えてくる。
その人が食べたい料理に正解すること。それは、食べたい人のバックグラウンドを知ることに通じている。熱いのかぬるいのか。ルウはとろみ系なのかシャバシャバ系なのか。そもそもルウを使うのか香辛料をブレンドする派なのか。ベジタリアンなのかムスリムなのか。米なのかナンなのか。
何なのか。
カレーだけでも無数にある。
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私は娘のなぞなぞにドンピシャで正解したい。
今日は、
「おかあさん、これこれ!」
が聞けるかなあ。
ハトちゃん(娘)と一緒にアイス食べます🍨 それがまた書く原動力に繋がると思います。