テントウ虫
通学路にある垣根のあちこちの葉っぱに、テントウ虫の蛹が着いているのを見付けた僕は帽子を脱いで、その葉っぱを何枚も摘んで入れ、遅刻ギリギリで教室に着くと自分の机の中ヘ隠した。
普通に午前中の授業を終え、給食をお腹いっぱい食べた僕は、帽子の事をすっかり忘れて、うとうとしながら5時間目の授業を聞いていた……
すると、隣の席の女子が肩をポンと叩いて、机を指差した。
見ると、中から羽化したばかりの、まだ黄色やオレンジ色、そして真っ赤なテントウ虫が、次々と机の角までとことこ行き、羽根を広げ飛び立って窓から青空ヘ。
いつの間にか、クラスのみんなが、それを見て歓声上げていた。