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歌の中のおんなのこ

 この動画、投稿された頃からやたら聴いているんですが、彼女たちの普段の活動を熱心に追えているかというとそういうわけでもない。悔しいことに日々の空き時間で見ることができるのはこの世に存在するVtuberのほんの一握り中の一握りくらいだ。私の生活では限界がある。
 でも定期的にこれをリピートする時期が来る。不思議だ。別に弱ってるわけでも寝れないわけでもなく、これ好きだな~と戻ってきては噛み締めている。

 やわらかくて幼めのゆげちゃんの声と、ハスキーなリンちゃんの声は、成熟しきる前の曖昧で輪郭のない不安を感じさせる揺らぎを持っているように思う。故に聴きやすいのにざらっとした心地を胸に残し、不思議な感覚を与える。私は彼女たちの歌声しか知らないのに、心の一番やわらかいところを目の当たりにしている、なんて思うのだ。それくらい繊細で、危うくて、魅力的な歌だ。

 孤独感を抱えていても孤独ではない。むしろ孤独感に苛まれることで同じ不安を抱える人とのつながりを認識することもある。歪な仲間意識であっても罪ではないし、それで癒されるなにかもある。傷の舐めあいが救う夜があったっていい。そんなことを聴きながら考える。
 こういうネガティブだけど毒のない柔らかな憂鬱は、妙に居心地が良い。冷たくもない水に浮かぶように、ベッドに四肢を投げ出して聴くのがやめられない。なんだか脳みそが弛緩している気もするし、全身が溶けているかのようだ。この曲を聴いているとそれが許される気がする。書いているとその感覚が恋しくなってきた。

 私に共感できるかは別として、とても素敵な歌声であることには違いない。彼女らは他にも2人での歌動画を出しているので、気になった方はそちらも是非。私もこれを機に、歌以外の彼女たちの姿を見に行くつもりだ。

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