トワイライト・ブルー
『夜の帳がおりてくる』
なんて言葉でも言われたりする時間帯。
夕焼けもおさまり、段々と夜をお迎えする儀式が始まろうとしている。一枚一枚薄いカーテンを降ろしていくように、空は青から黒に変わっていく。
この時間帯は何故だかいつも不思議な気持ちになる。
普通に暮らしている町並みがひとときの間、怪しげな雰囲気を纏うから。私の黒目の中にも青色がじわじわと馴染んでいく。
【逢魔が時】
この時間帯だけに現れる魔物たちが、街を歩いている私たちの間をすり抜けていく。
そして、魔物たちは私たち一人一人を吟味し、『これだ』と決めた人に取り憑いていく。
私たちは、取り憑かれた事に全く気づくことはなく街を歩いている。買い物袋を手にした主婦や、飲み屋に向かうサラリーマン。はたまた習い事帰りの子供たち。
じわじわと魔の手は広がっている。不条理な選定に選ばれた者たちは、知らず知らずのうちに心に体に闇を落としていくのだ。
そんな恐ろしい闇が垣間見えてしまうような『トワイライト・ブルー』に魅入られてしまっている私も、実はもう魔物に取り憑かれているのかもしれない。
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