SFってなんだ
ジョージ・オーウェル『1984』
村上龍『希望の国のエクソダス』
チョン・セラン『声をあげます』
これらはSFらしい。
サイエンスでフィクションらしい。
確かにフィクションなのは認めなければいけないし、仮に実話でも、フィクションの顔をして魅力が出る作品なのだからフィクションでいいと思う。
ただ、サイエンス。
サイエンス?
サイエンスってなんなんだろう。
逆にサイエンスじゃないものがあるんだろうか。
僕は科学に関してほとんど無知だけど、科学って貪欲なアメーバみたいに、全てを科学にするんじゃないの。
それでいけばこの世の中の全てはサイエンスなんじゃないかって。
そういう話じゃない、そうか、それでも、上に挙げた3作品がSFだって、僕は言いにくいな。
そもそも『1984』を読んだのは、古本屋で80円だったから、以上の理由がない。
聞いたこともない作家だったし、名前はすごく村上春樹だったから、あんまり興味が湧くものでもなかった。
ああでもあれは1984年ではないのか、わからない。
ただ、すごく面白かった。
こういう小説が存在していいのか、みたいな純粋な感動があり、少し安心した。
そうなってから調べてみると、1984はSFというジャンルであることを知る。
僕の知っているSFはドラえもんだったから、違和感があった。
そうしてそのSF(しかも場合によってはディストピアなんていうジャンルがついている)で探すと、村上龍やチョン・セランが出て来たわけで、ジャンルを知ることによるありがたさは実感した。
けれど、SF、?
ピンとこないんだよなあ、
そんなSFにピンとこないし、ディストピアって安易に言うのも好まないし、じゃあなんて言えばいいのってされると、やっぱりわからないのだ。
近未来、とかになってくるのかなあ、
フィクションを読む時に、自分事だと思わないで読む勢力があるじゃない?
例えば1984を読んで、それから職場でパワハラするやつとか、
例えば希望の国のエクソダス読んでから、校門前でスカートの長さをくどくど指摘するやつとか、
例えば声を上げますを読んでから、ゴミを分別しないやつとか、
そういうの。
そういう人はノンフィクション見てもそうなのかもしれないねえ。
でもそれじゃあ読まれる意味があんまりないんじゃないかって思う。
なんのために小説があるんだって、小説以外でも、作品が存在するんだろうって考えると、不都合な結論しか出てこない。
友人は執筆業のことを虚業って言った。
あんまり否定できない気がする。
そもそも虚業ってなんだろう、
この世界にまっとうな実業なるものがあるんだろうか。
そもそも人間がなんのために生きていくのかってところまで遡ると答えが出なくなる気がする。
SFってなんだろう。
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