しんどいのでタロットを引いた人

天満橋付近をうろうろと歩く機会があった。
天神橋筋六丁目から、商店街をびゅーてぃふぉぅで貫いて、辿りつくは天満橋。
フジハラビルや、天神様がよかった。
プライドセンターもあるらしい。行こう。
その散策の途中に、タロットバーなるものがあった。

店頭に貼ってあったのは求人。
「経験者、未経験者、問わず募集」とな。
連絡してみたが、現在は経験者のみらしい。
ほな、経験者になるしかないかあ。

というわけで知り合いに連絡を取る。
「タロットのデッキ、余っているから貸してあげる」
「あとタロットの師匠呼んだから話す?」
至れり尽くせりである。

始めたタロットは、自由でその分難しかった。
ただ、だんだんと要領だけは覚えてきたように思う。
自分を占ってみる日々。新鮮でよい。
「心斎橋の路上で辻占いやってみない?」
それは……面白そうだね……

自分のことを占って、辛辣な内容が出てくる。
「お前、悩んでばっかでないで動けよ?」
「贅沢者め、自分の持っているものに気づけ!」
「やりたいことあるんだろ、それやればいいじゃんか」
せやねえ、

僕はどう生きていきたいのだろうか。
理想像だけは見えている。
毎日14時間寝る。
起きて野菜をたっぷり食べる。
鼻歌と一緒に家事をする。
文字を書く。
服を作って、それを着る。
毎月10万くらい稼ぐ。
思い立って旅行をする。
そこに、僕以外の誰かがいればいいと思っている。
のだが……

僕の理想の生活の中、僕は一人でいることが多い。
ただ、現実の僕は、一人でいることがしんどくてたまらない。
思考が散らかって、やる気をなくし、うねうねとしている。
僕から見て、これは怠惰だ(タロットの言う通り)。
ただ、抜け出す方法はわからない。
先立つものを、どこかで手に入れなければならない。
どこで?
というかなにを?

小説って何のためにあるんだろうか。
あんなもの、あってなんの役にも立ちはしない。
panpanya著の漫画本を読んだ。
救われた。
(救われた?)
ただ、散らばる思考を一か所に集められたような、
いや、適度に散らかっている部屋にいる安心感、
の、ような。

食う寝るところに住むところ。
僕が欲しいのはこれになるだろう。
一人の飯はうまいか?
一人の寝床は暖かいか?
一人住まいは柔らかいか?
さあ、ね。

「満足せぃ!」と言われる。
そうなのかもしれない。
仏教か。
ああ、ともかく、
僕の未来へ、
未来がこっちへ来い。
そうか、来るのか、
未だ来ず、
来るのか
まるで待ち合わせみたいだな、遅刻魔め。

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