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秘密
誰も興味を持たない秘密は秘密なのだろうか?
「秘密」という不思議な匂いを漂わせてこそ
秘密と呼べるのではないだろうか?
本当にバレたくないのならば
秘密を秘密にしなければいい。
秘密は人の好奇心を刺激する厄介なものなのだ。
しかし、ある1人の少女は秘密を魅力に変えた。
コンパクトミラーを使って自由に変身することができる魔法少女。その名もアッコちゃん。少女の能力は秘密の中で発揮されるのだ。
誰にもバレてはいけない。
だが私たち視聴者は秘密を知っている。
いわばアッコちゃんとは運命共同体なのだ。
私がひみつのアッコちゃんにハマったのは幼稚園の時だった。母の影響であり、唯一母が一緒に観てくれるアニメだったので大好きだった。
鑑賞しながら母はよく「懐かしいわ」と言ったが私には何もかもが新しく、魅力的だった。
そして私もついに秘密を作った。
どうしても魔法のコンパクトが欲しくなり、母に内緒で祖父母におねだりしたのだ。
テレビ放映から月日が経っていた為アッコちゃんと同じコンパクトは売っていなかったが祖父母は私の為に可愛いコンパクトを買ってくれた。
私は嬉しくてたまらなかったが同時に秘密という存在が重荷になり、ついに耐えられなくなった私は泣きながら母にコンパクトの存在を打ち明けた。
私には秘密を魅力に変える事は出来なかったのだ。
アッコちゃんは凄い。
秘密を抱え輝くアッコちゃんは本当に凄いと思った。