大切なものは無くしたくないものか―後―
ここで私の来歴を紹介する。
無くすまでは絶対に失いたくないと思い、人との縁を含めて全てを抱えて込んで手離したくないと思う。
そしてある日突然やって来る別れに深い悲しみを覚え、めちゃくちゃ落ち込む。
それを繰り返しているうちに、そもそも大切なものなんて作らない方がいいんじゃない?出会いなんてない方がいいんじゃない?と内向的になり保身に走るようになる。
でもやっぱり新しい人と繋がって気の合う人に出会うと、出会いっていいなぁなんて思うようになる。
そしたら、今が楽しければなんでもいいか、と吹っ切れるようになる。
そしてある日突然別れがやってきて、めっちゃ落ち込む。
でもちょっと経ったら、楽しかったなぁあの頃、と思えるようになっている。
自分の成長を感じる。
そんな感じで、推し事を辞めると決めてから、それまで宝物だったグッズはもう必要なくなった。
趣味垢でそれまで仲良くしてくれていた人に、2週間後のライブが終わったらアカウントを消すとだけ伝えた。
いざライブに行ってみると、やっぱりめちゃくちゃ楽しかったしずっとここに居たいと思った。
もう買わんとこと思っていたグッズだったが、最後の思い出にいいかとライブTシャツとタオルだけ買って参戦した。
同担さんと出会い厨をして、初めて会ったのにずっと前から友達だったかのような暖かさと居心地の良さを覚え、あぁ、お別れしたくないなぁ、寂しいなぁと思った。
何より推しの生歌はやっぱ最幸だなと思った。
いざお別れ間近になると、それまで冷めていた気持ちも高まるもんで、一気に寂しい気持ちが押し寄せてくる。
自分から手放すと決めたのに。
でもそういうのは時間が解決してくれる。
時間って偉大。
時間に甘えて、自分にも甘えて、自分を甘やかして過ごそう。
また戻りたくなったら戻ればいい。
ただ、その時に推しがまだいてくれるかは分からない。
推しは推せる時に押せ。
だから今を精一杯楽しむ。
私は精一杯楽しんだ。
ありがとうございました。
例えばまた戻りたくなって戻った時に推しが居なくなっていたとして、私は推し活辞めてからもっともっと楽しい時間を過ごしたからいいんだって胸張って言えるようにこれから過ごしていくぞ。