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パートナーがお酒をやめて自分に作用したことの話

ある日突然お酒をやめた。私ではなくパートナーが。それはもうきっぱりと見事な断ち方で、やめると決めたその日から2年以上1滴も飲んでいない。

なぜやめたのか、そのやり方、やめたことで起こる心や身体、生活の変化は本人が書いているので興味のある方は読んで頂くとして。ここではこれまで長年共にお酒を楽しんできたのに急にハシゴを外され、取り残された気分になってしまった私の今思うことを書いてみようと思う。

最初にやめると言い出したときは驚いた、と同時にこうなるような気もしていた。自主的に決断し、私に対して「一緒にやめよう」とか「自分の前で飲まないでほしい」などと要求することはなかったし、酒好きな周りの人間を巻き込むことも一切しなかった。はて?そんなことが出来るのだろうか?

取り残されたと感じた私は意地悪く最初はあれこれ試すような事をしてみた。が、まったく効かない。そういうことか。ならば私は私らしくいよう。試すようなことをして、ごめん。

改めて自分の飲酒生活を考えてみる。これまでも人を呼ばない限り家では飲まない生活だったし、昔は二人で晩酌したものの、最近はほとんどなくなっていた。紐解いていくと私は「外食で飲むのが好き」ということが判明した。加えて加齢とコロナ禍も飲み方を大きく変えた要因と言える。「こうなるような気もしていた」というのは、誰しもが持つ"ある日突然これまでとまったく違うことをやってみたい"という衝動があったから。これは今思えばの話。

結果、家ではまったく飲まず、二人揃っての飲み会のお誘いは激減した。最初は寂しかった。みんなでわいわいしながら美味しい料理をつまみつつ、開けたワインの瓶を並べて飲んだ飲んだと笑いたかった。とはいえそんなに飲めなくなってきているのも事実。

やがて気分転換を兼ね、月に2〜3回友人と外で飲むことで落ち着いた。ノンアルで過ごす飲み会もある。こんな時、割り勘だと割りを食ってると思うこともあるが、失礼ながら友人たちもいい中年なので以前ほどは飲まないし、食べないのだ。なのでそこは気にしない。それよりもノンアルや1.2杯程度のお酒で過ごした際に感じる"断酒"ではなく"減酒"の効果よ。コントロールしてる自分を褒めてあげたい!と調子に乗ったこともしばしば。

とはいえ。これってそもそも好奇心でパートナーの断酒に乗っかった中年女の、加齢と共に飲む量も減ってきたというだけの話なんですよね。我ながらめちゃめちゃ普通の着地点。今では飲みたいと飲まないを使い分け、"飲めるけど敢えて飲まない" ソバーキュリアスを実践している。

お酒で苦しんでいる方も多いし、私はたまたま減酒出来たというだけの話なので何の参考にもならないと思いますが。能動的であれ、受動的であれ、たまに自分の生活や環境をがらっと変えてみることは強くおすすめします。その時はよく分からなかったものの、面白がって乗っかってみて、私は良かったので。それがどう転ぶかはわからないけれど、自分の中に芽生えたわずかなサインをキャッチしていたい。

こんな風に自分が変われるなんて。天龍が全日のリングで越中詩郎に花束を渡すんだから(感動)。まだまだやれることはある。(J)

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