【小説】トップシークレット☆ ~お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる~ 第1章
プロローグ ~回想~ ──六月のある晴れた日。ここは東京都新宿区内にある、〈篠沢グループ〉が経営する結婚式場。
「わぁ、スゴい。わたしじゃないみたい!」
真っ白なベアトップのウェディングドレスに身を包み、式場スタッフによるヘアメイクを終えたわたしは、控室の大きな鏡の前で顔を紅潮させてはしゃいでいた。
わたしは篠沢絢乃。まだ十九歳だけれど、日本国内では五本の指に入る総資産を誇る大財閥・〈篠沢グループ〉の会長である。
というのも、わたしは先代会長だった亡き父・篠沢源一