ニューフェースが大活躍する伝説のシットコム ドラマ「思いっきりハイキック」 #495
日本にはあまりないドラマのジャンルが「シチュエーションコメディ」です。その昔、放送されていた「てなもんや三度笠」などがそれに当たるそうですが、1970年代中頃に廃れてしまったそう。
「フルハウス」や「奥さまは魔女」「SUITS」など、1話完結なものが多いので好きなんですけどね。
韓国で、低迷していた夕方のドラマ枠の視聴率を爆上げしたのが、シチュエーションコメディ=シットコムの「ハイキック」シリーズです。第1シリーズの「思いっきりハイキック」は、最高視聴率27.7%。第2シリーズの「明日に向かってハイキック」は最高視聴率27.6%と、大健闘でした。
どちらも、ある家族と友人や職場の仲間たちのドタバタを描いています。
<あらすじ>
ヤブ漢方医の祖父、嫁にいびられる祖母、リストラされた父、自信満々の漢方医の母、高校教師の叔父、勉強が得意な兄、ハイキックが得意な弟という、3世代が同居するイ家。嫁姑バトルや子どものいたずらなど、家族あるあるエピソードを笑いに昇華させた。
<あらすじ>
食品会社の社長である父、その恋人の教頭先生、高校教師の娘、失敗ばかりの娘婿、外科医の息子が暮らすイ家。借金取りに追われて山奥からやって来た家政婦とその妹たちにとって、家族のバトルは驚くばかり。老人の恋や経済格差など、社会的なテーマも扱われるように。
シーズン1では、チョン・イルやキム・ボム、シーズン2ではユン・シユンやシン・セギョン、チェ・ダニエルといった新人俳優たちの活躍が注目され、「ハイキック」シリーズは若手の登竜門と呼ばれていたそうです。日本でいう「朝の連続小説」のようなものでしょうか。
「キム秘書はいったい、なぜ?」で美しすぎる秘書を演じたパク・ミニョンも、「思いっきりハイキック」の出身です。ワケありの女子高生を演じていて、双子のお兄ちゃんを誘惑するという役柄。かわいいですよ。
これらの人気シットコムを生み出したのが、キム・ビョンウク監督&ソン・ジェジョン脚本家のコンビです。シーズン3こそ振るいませんでしたが、「ハイキック」シリーズは楽しく観られるのはもちろん、飾らない、ホントの“日常生活”が垣間見られておもしろかったです。
忙しい時には精力をつけるために牛骨スープを煮る。消化不良の時は指を突いて悪い血を出す。科学的にはどうか分からない家庭療法は、下宿時代に経験させてもらいました。
日本でいう「あっちむいてほい」のような遊びもあって、ルールがまったく分からなくて友だちに解説してもらったりもしました。
教科書には載っていない表現や生活習慣、文化を知るのに、シットコムはピッタリだと思います。悪口もいっぱい出てきますが。
日本のお笑いは人を貶める笑いが多い気がしている昨今。気軽に大笑いできる「シチュエーションコメディ」はおすすめです。
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