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【明日のライターゼミ】体験講座は、クリエイターの頭の中を知る場所だった!

「あなたは自分が思うよりも、可能性がある」

 

学校生活でも、社会人になってからでも、他人からそんな風に言われたことはありますか?

誰しも自分の可能性を信じたいもの。

でも、自信なんて気温37度の日に海辺で食べるカキ氷みたいなもので、出てきた瞬間に消えてしまうものではないでしょうか?

あ、つい、ネガティブが。


そんな、自信なんてカケラもなく、知識も実績もない、でもなぜか新たなミッションを背負うことになって困っていた時に出会ったのが、「明日のライターゼミ」というオンラインサロンでした。

2期目に参加してさまざまな課題をやったものの、あまりの出来なさ加減にイライラがつのる……。

講義のたびに積み上がる絶望を抱えて、でも、「とにかく手を動かすことでしか乗り越えられない」と信じる昭和世代としては、必死に自分と向き合うのみ。

2期目の折り返しを過ぎ、3期目の募集開始を前にした体験ゼミがあるとのことで、こちらにも参加してきました。

講師は、ゼミの主催者でもある西島知宏さんです。

「ライターが企画者としてやっておくべきこと」と題しておこなわれた講義は、西島さんがこれまでに貯めた知見を一気に放出!といえるようなもので、クリエイターの頭の中をのぞかせてもらった気分になりました。

そこで、講義の中から印象的だった話をメモにまとめてみます。


「ライターは、盗もう」=共通項を抽出

事前課題として、「下記の2本の記事に共通する要素はなにか?」というお題が出ました。

その記事がこちらです。

流行りの『写ルンです』持参でデートして衝撃を受けたことTOP5

 

【神曲】みんな知らないと思うけど「シャ乱Q」ってバンドの『シングルベッド』って曲が超イイから絶対に聞いて欲しい


『写ルンです』の記事は西島さんが編集長をされている「街角のクリエイティブ」に掲載されたものなんですが、PVが歴代5位以内に入るほど人気の記事なのだとか。

ですが、高校生の頃に『写ルンです』を使っていた世代としては、
「この人、いまさらなに言ってんの?」
でした。

そして、『シングルベッド』の記事を読んだ感想も、
「この人、いまさらなに言ってんの?」
だったんです!

共通する要素を考えるより前に、感想が同じって……。うーん、となってすぐに、あ、これがヒントなのか!と気付きました。

つまり、2つの記事に共通する要素は「ジェネレーションギャップ」です。


『写ルンです』の記事を書いたライターさんは大学生だそうで、関西のおばちゃんであるわたしと感じ方が違うのは当たり前でした。

でも、この「当たり前」を意図して作り出しているのであれば、それってすごいことなんでは?


そして当日課題として、動画の共通項を見つけるお題も。

宮崎県小林市 移住促進PRムービー "ンダモシタン小林"


Love Drawing|Love Liner(ラブライナー)70s


どちらも数年前に話題になったので「観たことがある」という方も多いかもしれませんね。

最後に意外なオチが隠されていて、「えええっ!」となるわけですが、そこでたぶん、ほとんどの人がとる行動、

「もう一回観たくなる」

これこそが2つの動画をつなぐ共通項です。


ちなみに、「Love Drawing」の動画は西島さんが制作されたそうで、その企画を考える時に参考にしたのが「ンダモシタン小林」の動画だったのだとか。

まさしく、「ンダモシタン小林」の要素を「盗んで」いるわけですが、これは決して「パクリ」ではありません。

あの、ピカソも言っています。

「凡人は模倣し、天才は盗む」

「盗む」のは、コアの考え方や仕組みです。それを再利用して、違うアウトプットにすることが「企画」なわけです。

そのため、コアとなるものの引き出しを多く持つことが、企画者には求められます。

という作業を、西島さんは15年間続けているそうです!

15日じゃないですよ?

15年間ですよ?


クリエイターってすごぉぉぉーーーーい!


と感心するだけではアカンアカン。自分でもやってみることが一歩につながると太字でメモしました。


方法論からアウトプットへ

社長業なら、次期の戦略を。
営業なら、商品セールスの手法を。
塾の先生なら、講義のアイディアを。

こんな風に、別に、クリエイターやライターでなくても、人は誰しも大なり小なり「企画」に携わっています。ですが、「企画をたてる方法」なんて、誰も教えてくれないですよね。

「明日までに新しい企画を持ってこい!」なんて無茶ぶりされて、「ウッ」となる。そんな時に使える方法論があります。

そのひとつが、

常識と思われているものを書きだす→非常識なことに転換してみる

方法です。

たとえば、【「新しい!」と言われる銭湯のアイディアとは?】というお題が出されたとき、ただただ頭を抱えてウンウンする……という状況に陥りがちですが、これは、考えている“フリ”でしかない。

じゃあ、どうするか。

まずは「銭湯の常識」と思われるものを書き出してみましょう。

そして、この「常識」を「非常識」なものに転換してみます。

実現可能性はいったん置いておいて、方法論に当てはめただけで、それなりのアイディアはいくらでも出てきます。そして、このファーストアイディアを練り上げて企画としてブラッシュアップさせていく、工程を分けて考えることが大切なのだとか。

方法論としては他にも「限定術」「擬人化」などがあります。詳しい内容は、こちらの本にまとまっています。

『思考のスイッチ ~人生を切り替える11の公式~』


明日はお休みだっけ? 濃い~ゼミは時間との闘い

今回の体験ゼミは日曜の夜に開催されていまして、120分の予定でした。第1章が終わったところで時計を見ると、20時20分。


すでに80分が経過している!!!


「絶望的なことに、今日の資料は第5章まであります」

持ち時間が少ないことに気付いた西島さんから、そんなお告げが。(本当は第6章までありました)

えっとー、1章×80分ということは、あと5時間半はかかる計算になります!!!


(明日は楽しい楽しい月曜日。
朝一番で会議があるよん。
寝坊できない。休めない)


真っ青になったわたしの、心の声を察してくださったのか、ここから講義はスピードアップ。でも、中身は濃いまま。いえ、スピードが上がった分、100倍濃縮されていたような気がします。

・自分のお仕事領域の「過去」を知ろう
・企画とは山の登り方を変える=光のあて方を変えること
・書くとは何かを変えること

そして、

・企画とは組み合わせである
・驚きと共感を共存させること

というお話に続いていきました。

「なんか新しいアイディア出してよ、月曜朝一で」と金曜日の夕方に言われる、という笑い話のような、でもリアルにけっこうしょっちゅう起きる話がありますよね。

ですが、「新しい」とは相対的なものです。過去の積み重ねを知っているからこそ、「新しさ」に気づくことができる。

また、アイディアは「ゼロ」から生まれるものではなく、既存の要素の組み合わせで決まります。だからこそ、その分野の歴史を知らないと「見たこともないもの」が何かさえ分かりません。

無茶ぶりに脳がフリーズしそうな時ほど使える方法を、「これでもかー!」というほど提示してくれるゼミでした。


なぜ、書くのか。なにを、変えるのか。

企画や記事を形にするとき、気を付けないといけないことは、それで“なにを”を変えるのか、ということです。

なぜ、書くのか。

なにを、変えるのか。

対象と読者との間に、新たな関係性を作るために書く。「なにか」を変えられなければ書く意味がない。そしてライターはそのことに対して意図的でなければならない。

穏やかな西島さんが強く仰っていた言葉です。

そうです。

先ほどの『写ルンです』と『シングルベッド』の記事で感じた「ジェネレーションギャップ」。これを意図して作り出すのが、プロのライターなわけです。

いま、まさに。
わたしの課題が、それでした。

絶望をお供に、仕事も課題も力不足で消化不良に陥っているタイミングだったので、ここはあらためて考えようと思っていたとき、西島さんがもうひと言、仰いました。


「あなたは自分が思うよりも、可能性がある」


ひゃー!!!
本当に? そうだったらどれだけいいか……。

思わず涙目になってしまいそうな、このコピー。実は、とある広告コピーをアレンジしたものなんです。

過去の事例をサンプリングして、共通項を抽出し、新しい組み合わせを提示したことで、参加者の“なにか”を変えた。

今日の体験ゼミの中身がつまったひと言だったわけですが、この広告と手法については、「明日のライターゼミ」第3期の本編で語ってくださるそうです!


わたしたちが普段接するのは、CMのポスターや動画、コラムやイラストといった、クリエイターが生み出した「結果」だけです。

優れたコピーにクスッとなったりドキッとしたり、動画に感動したりシェアしたり。

いずれにしても、これらはアウトプットされた結果でしかなく、どういう過程を経てこのクリエイティブがあるのかを知ることはありません。

ですが、なにかの表現をしたいと考える人にとって必要なのは、まさに「過程」の部分を学ぶことだと思います。

「明日のライターゼミ」は“ライター”と銘打ってはいますが、ライター志望の人だけが集まっているわけではありません。おまけに講師陣も多彩なので、誰よりも言葉の濃さと深さを突き詰めるコピーライターや、ベストセラー本を生み出した編集者の頭の中をのぞけるいい機会になると思います。(まるで回し者みたいなことを書いていますね)


ここで学んだこと、そしてやりきる力を、ちゃんと自分のものにしたいと感じた日曜の夜でした。


「なにか足りない気がするけれど、それがなにかが分からない」

そんな悩みをお持ちの方はぜひ、体験講座を見てみてください。わたしの拙いメモより、サロンの動画を見た方がいいです。

【2018・秋】明日のライターゼミ|6ヶ月限定サロンの詳細はこちらで。


最後に、校閲レディからひと言。
「ひとつづつ」よりも、「ひとつずつ」と表記する方がよろしいかと思われます……。
絶対間違い!ではありませんが、現代仮名遣いでは「ずつ」と綴るそうですよ……。

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