地道な努力では夢が買えない時代の罪 ドラマ「人間レッスン」 #354
今日は、久しぶりに「キタ~~!!!」となった韓国ドラマをご紹介します。
Netflixオリジナルドラマとして配信中の「人間レッスン」です。10代の高校生が、生きていくために罪を犯すというストーリー。ひとりの同級生にバレたことが発端となって、次々と問題が発生していくというサスペンスドラマです。
<あらすじ>
高校生のジスは成績優秀、生活態度も良く、優等生とみられています。でも、家には母はおらず、ギャンブル三昧の父は行方不明。一人で生きていくために、ジスは援助交際の元締めをすることに。ある日、気になっていた女の子のギュリに、仕事用のスマホを奪われてしまいます。スマホがないことに気づいたジスは……。
ジス役は、「梨泰院クラス」で自分の意志を貫けない次男を演じていたキム・ドンヒ。あのモジモジくんが主演!と思ったら、「人間レッスン」でもやっぱりモジモジ。ハッキリ意見を言わないことから同級生のギュリにつけ込まれていきます。
そのギュリを演じているのは、パク・ジュヒョンです。彼女もほぼ新人。オーディションでこの役を射止めたとのこと。
全10話のドラマですが、ものすごい緊迫感があって映画を観ているようでした。高校生ならではの進学問題といじめに、売春、タバコ、親との関係、そしてネット犯罪をかけ合わせた大胆なストーリー。脚本家のジン・ハンセが、自身の留学時代の経験を基に構想したとのこと。韓国ではNetflixで配信されてからずっとランキングの上位に位置しているそう。
第1話で、担任の先生がジスに「何か困ってることないか?」と質問します。あまりにも優等生なジスに、「ちょっとくらい問題を起こすくらいじゃないとなw」なんてアドバイスまでする。それを几帳面にメモするジス。でも裏では「ちょっと」どころじゃない犯罪に手を染めているんですよね。
ジスの仕事にギュリが関わったため、問題がこじれにこじれて、様子がおかしいと気づいた担任が、再びジスに「何か困ってることないか?」と質問します。でもジスは、「言っても、助ける方法ないですよね?」と答えるのです。
まだ10代で親の保護が必要な時に、ひとりで放り出されたジス。普通に高校を卒業して、普通に大学に行って、普通に生きていきたい。その夢を叶えるためにはお金がいるのに、自分には何もないのです。一方のギュリはお金持ちだけれど、独善的な親に支配される生活に息苦しさを感じています。
ジスが大切にしているペットのヤドカリは、そんなふたりのメタファー。
かなり刺激的なサスペンス劇のせいか、「青少年観覧不可」のレイティング。エンドクレジットの前には毎回、「助けが必要な時は信頼できる人に相談するか、地域の相談窓口に電話してみましょう」という字幕と共に青少年相談センターの連絡先が表示されるほどです。
地道な努力なんかじゃ夢は買えない。
罪とは何か?
10代の若者が見つめるオトナの姿に震えました。
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