山を見上げる
妊娠9ヶ月に入った。
残った有給を思いっきり使って2週間ほど早めに産休に入ったものの、妊娠後期の仕事はかなりキツいものがあった。ほぼリモートワークの自分ですらこんなに辛いのだから、毎日出勤の方、立ち仕事の方、有給が使えない方は本当に厳しい環境だろうと思う。
つわりのレベルでいうと、多くの妊婦は初期〜中期にピークが来る。ただ、その時期は暗黙の了解で「妊娠しました」とは周囲に報告できない。この悪しき風習は日本だけなのだろうか?体型的にも変わらないため、ただただ誰にも言えずに体調不良を耐えるしかなく、休んでしまった仕事は、病院から診断書をもらえない限り単純な病欠となる。
何なんだろう、このシステム。絶対に良くない。
妊娠発覚時にすぐ周囲に公表して理解してもらって、仕事をセーブできる仕組みにするべきだ。「まだ安定期じゃないから言えない…」じゃなく、公表して考慮してもらった方が健やかに過ごせると思うが。謎だ。
日本独特の「遠慮・配慮」みたいな物が垣間見えて嫌だなあと思う。
そして後期に入っても「産前休業は出産予定日の6週間前」と決まっているため、基本的には休めるのは34週以降である。
34週?いやいやいや、正期産が37週だからもういつ産まれてもおかしくない時期だぞ34週は。何なんだろう。くそだ。全てを見直してくれ。
なるべく早めの準備を進めている我が家でさえ、産休後にやることが山積みだった。
育児グッズの準備。吟味したリスト通りにほぼ揃えてあるものの、ベビーカーやチャイルドシートなどの大物はまだ手が出せずにいる。総額を見て怯える。必要最低限しか買っていないはずだが、「少子化」を加速させている一因はやはり日本の一般家庭の貧しさにあるのだろうと実感する。
部屋の準備。都内賃貸の2人暮らしには充分なスペースがなく、日々断捨離と整理整頓を続けている。性質の問題かもしれないが、私はルールなく物体が増えることにストレスを感じる。これから際限なく物が増えていくであろう状況に少しでも心の余裕を持てるよう、今日も整理整頓を続ける。
お金の準備。とりあえず自分の状況の変化を顧みて、保険の相談に行ってみた。現状のままで問題なさそうだということに安心し、次に子の資金について相談。教育資金のシミュレーションで、全て公立を選んだとしても大学まで行くと1500万円かかるとのこと。血の気がひくと同時に、両親の偉大さを感じる。どのルートでお金を貯めていくのが良いのかおおよそ理解し、一旦契約せずに帰宅。この辺りも要検討して動いていかなければならない。
書類の準備。「出産後○日以内に提出」という表記に驚く。主には会社・地方自治体・病院への申請系だが、腹を痛めた瀕死の生き物にこの仕打ちは何たることかと思ってしまう。しかし決まっていることには従わねばならない。できるだけ今から準備しておくために、難しい規定を見つつ書類を集めている。
保育園の準備。これが本当に厄介だった。予定日は12/20。0歳児を保育園に預けることに抵抗はないので、何なら来年の4月から入園させたい気持ちはあるが、如何せんそのためには私が就業している必要がある。産んで3ヶ月で働けるのだろうか。想像ができない。しかも申し込み期間が10月半ば〜12/20とのこと。詰んでいる。
じゃあ中途入園は可能なのか?そのために準備しておくことは?家庭の状況によって点数が違ってくるため、まずその点数とやらを稼ぐためにプランを立てねばならない。頭が痛くなる。
何が子のために最善なのかという点を軸にしなければならないのだろうが、とりあえずお金を稼ぐという大前提を重視して進めていくべきかなと思う。
やることが多い。
妊娠後期となった今でもたまに吐く。
腹が重い。息が苦しい。
出産が怖い。
我が子はずっと逆子らしい。
冷え性や子宮筋腫があるのも関係しているのかもしれない。
下半身を温めなければ。運動をしなければ。
睡眠をとって栄養をとって1日1日を無駄にせず過ごさなければ。
いつ何が起きるのか分からない。
死ぬかもしれない。
出産前に夫に遺書を残す人も多いらしい。
そうだよなあ、死ぬかもしれないもんなあ。
怖いなあ。本当はずっと全部が怖い。
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