なぜMeituanは日本で生まれないのか?
中国インターネット研究所の紹介
Baidu、Alibaba、Tencent、Sequoia、ZhenFund、IDGから毎月2社の投資先をリスト化して公開すると共に、その中でも中国の経済情勢を反映する特徴的なスタートアップを数社ピックアップして紹介しています。
Baidu、Alibaba、TencentはBATと呼ばれ、中国インターネット業界を牛耳っています。BATがスタートアップに占める投資の割合は全投資の40%を超えています。
BATの投資先を継続的にウォッチすることは中国インターネットつまり、世界のインターネットの最先端を見ることと同義であると言えるでしょう。
また、Sequoia、ZhenFund、IDGの3社は中国のアーリーステージを牽引するTOPVC3社であり、年間投資件数は合計約300件を超えます。
この3社の投資動向を把握することは、「次」のインターネット世代のサービスもしくはインターネットの「次」に生まれるものを探すことと言えるでしょう。
メディアが報道する中国企業はPVが取れそう、話題になりそうといったものしかないのが現状です。
この「中国インターネット研究所」では、世界で最も進む中国でインターネット企業がどこに向かおうとしているかを、最新の投資情報リストから大まかな傾向をキャッチアップすると共に、投資先から見えてくる中国の旬な経済情勢を理解するのを目標にしています。
Topic
今回はなぜMeituanが日本で生まれないかを考えてみる。
Meituanが上場したのもあり最近多く受ける質問であるが、Meituanのような企業は日本ではまず生まれないというのが結論である。
O2Oをすべてのジャンルで展開する同社であるが、よりオフラインの世界の影響を受ける。自分で整理していてそんなに目立った考察は無く、非常に当たり前のことだと思うが、言語化してみたいと思う。割とマクロの視点ではあるが、日本と中国社会が抜本的に違うことを再認識するきっかけになると嬉しい。主に以下の問いを扱っている。
・フードデリバリーがなぜ中国ではこれだけ必要とされるか?~中国現地目線から~
・Meituanはなぜこれだけ急速にスケールできたのに、出前館はそこまで早くないのか?
・Meituanはなぜ映画、レストラン、ホテルなど多くの産業に入り込めたのか?なぜ日本ではこのように多くの産業に入り込めるスマホアプリがないのか?
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