人に迷惑をかけずして生きてはゆけない
「人に迷惑をかけてはいけない」
これは誰しもが一度は言われたことのある言葉ではないでしょうか。
大抵の場合、子供の頃に親であったり学校の先生なんかに言われたことがあるかと思います。
そしてそのような教育の成果は.実に優秀な結果を招いていると感じることが日常生活において多々あります。
人の迷惑にならないように気配りを欠かさない人でこの国は溢れています。
一見するとこれはとても素晴らしいことに思えるのですが、はたして本当にそうでしょうか。
確かに人に迷惑をかけられて嬉しい人はいないのでこの考え方自体は正しいのですが.そもそも「迷惑」というものの定義を間違って解釈している場合が多いと感じます。
例えば自分がなにか困っている時に人に頼って助けを求める行為について「迷惑になるかも知れない」とか考えてしまいがちです。
しかしそう考えてしまう人も.反対に自分が人から頼られたり助けを求められた場合に「迷惑だな」とは思わなかったりするものです。
自分から人に対して.という方向に矢印が向いている時にだけ迷惑であると考えてしまい、躊躇してしまうことが多いようです。
これは明らかに幼少期より周りの大人たちから「人に迷惑をかけてはいけない」と何度も何度も刷り込まれた結果と言えます。
つまり親側の視点に立った時、我が子に「人に迷惑をかけてはいけない」と教育する時には注意しなければならない点がいくつか浮かんできます。
まずは「迷惑」とは何かということを具体的に示す必要があるということです。
これがなされなかった為に多くの人たちは迷惑の定義を広く解釈しすぎて.人を頼ることも憚られる事態に陥っていると考えられるからです。
それから.かけた方が自分の保身につながる迷惑というものをちゃんと教えることも重要です。
うちの小学生の子供の通学班は.人数を制限する為に敢えて2つに分けられていて、その理由は大人数で道に広がって歩くと危険である上に自動車の通行の妨げになって迷惑であるということらしいです。
しかしこれは保身の観点からいくと全く反対のことをしていると思っていて.子供が少人数でなまじ行儀よく道の端を歩いているから自動車はなかなか危険な勢いで走行してくる訳で.大人数で道に広がって歩いている方が自動車は減速をして慎重に通過するので結果的に事故が起きる可能性で言えば.あえて迷惑をかけることでリスクを減らすことができると言えるかと思います。
これはほんの一例にすぎないのですが、場合によってはあえて迷惑と呼ばれるような行いをすることが自分のためになる時もあるという事は子供には伝えておいた方がいいと感じました。
困った時に周りに協力を求めることができるかできないかで状況が左右される場面もあります。
そうした時に迷惑をかけてはいけないという思い込みから.自ら不利になる選択をさせたくはないです。
それに実は世間一般でいうところの迷惑を多々かけてくるタイプの方が.実は「しょうがねえな」ってな具合に可愛がられたり世話をやいてもらえたりするものです。
以上でーす。