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それなりの幸せ

学生時代に使っていたプレイリストを開いてみた。あの頃は本気で共感して救いのように思っていた曲たち。今の私はそれを見て「まじか(笑)」と少し引いている。

教えてよ そこには幸せはありますか?
素直に生きたいと誰もが願うのに
.
でもね痛いよ 生きてるだけなのに
確かな答えはきっとそこにあるはずさ
(風のイタズラ/ゆず)
曖昧と言う名の海に溺れて
息もできないほど苦しいの
.
幸せだろうと不幸せだろうと
平等に残酷に朝陽は昇る
生きてくだけで精一杯の私に
これ以上何を望むというの
(ハロハワユ/鹿乃)

こんな曲が山ほど入っていた。ただ生きるのがこんなにも辛いなんてとずっと思っていた。

高校生の時クラスの中心の子達にめちゃくちゃ嫌われていた。なにもしていないのに。入学式の日からなぜか嫌われていた。人見知りの私にとっては絶望でしかなかった。友達もできたし成績も良くて傍から見たら普通の高校生活だったと思う。ただ、いつもどこかで笑われていた。そんな子たちも3年生になる頃には私のノートを写すためにベタベタ絡んでくるのだけど。利用されてるって分かってたけどそれでも冷たい視線をかけられるより嬉しかった。今思えばすごくダサいけど仲良くなれて良かったと安心していた。

私はブライダルの専門学校に行った。キラキラした世界がとても魅力的だったから。ただ、私はずっと嵐を見てきたからこのキラキラを創り出すために沢山の犠牲があることは分かっていた。厳しい学校なんだろうと分かってて入った。厳しくて過酷な毎日だった。ブライダルの世界は「人のために」が全てだから学校では知識を学ぶと言うより人間性を学んだ。失敗をした時はその失敗についてではなくて、想いが足りなかったんじゃないかとか相手より自分のことばかり考えていたんじゃないかとか、心が冷たいとかそんな指導を受けていた。「また私なんてってセリフ君には似合わないよ」とあの時言われたとしてもそんな風に想ってもらえる価値が私にはないと否定してただろう。22時まで全員居残りをして準備をして、終電まで学校の近くのファミレスで作業、家に帰ったら2時まで作業の続き、3時間寝てまた学校へ行くそんな毎日。気力で生きてた。
やりかたはすごく異常だったと思うけど、相手がなにをしたら喜んでくれるかとかどんな言葉が欲しいかなとかまず相手を想うようになったのは2年間があったからこそだと思う。厳しかったけど初めて私自身を見てくれた先生。「あなたは人当たりも良くて優しいから敵を作らないでしょ?でも本当の味方も作ろうとしてないんじゃない?」と言われたことが忘れられない。実際そうなんだと思う。嫌われることが怖いから深くまで相手を受け入れようとしない。自分に自信がなくて相手に踏み込むことが出来ない。みんなのこと大好きなんだけどな。
私がここまで嵐に執着して支えにしているのはこういうとこからなんだと思う。何があっても味方でいてくれる大切にしてくれると自信もって言える。それを受け止めてくれる。同じものを返したいと思える。雛が初めて見たものを母だと思うのと同じで私は初めて愛してくれた翔くんをずっとずっと手放せないでいる。また同じ夢を見たいと願ってしまう。

新卒で就職した会社はびっくりするくらい「人の為に」がなかった。学生の頃学んだ"ブライダル"はあまり感じられなかった。でも社会なんてそんなもんなんだろうなと思った。所謂女の世界。理不尽なこと。無視とか悪口とか。大人になってもまだ高校生みたいなことしてるんだなぁって。耐えられてたの。なぜなら学校の方が厳しくて大変だったはずだから。でも学校はどれだけ厳しくても幸せなゴールや成功があった。共有できる友達がいた。必ず良い結果があった。社会にはそれがなかった。共有できる同期もいない、いつまでこれが続くんだろう、あぁいつまでも続いていくんだろう。結局2年くらいで辞めちゃった。途中から吐きながら仕事して、もはや吐くためにご飯を食べてた。どんどん人が嫌いになるし、そんな自分が嫌いで辞めた。見兼ねた友人がうちにこない?って誘ってくれた。今の職場環境はすごく良い。家族みたいに優しい。小さな会社だからいろんなことに参加出来るのも嬉しい。ここのおかげでブライダルを嫌いにならずに働けている。


生きてるだけでなんでこんなに辛いんだろうって思ってたけど"生きてるだけ"ではなかったんじゃない?と今の私はあの時の私に言いたい。今穏やかに生きてる私から見たら一生懸命生きてたよ。ぐっちゃぐちゃになりながら生きようとしてたよ。もっと大変な人はいるだろうし、世間から見たら私なんて頑張ってない方だけど私にしては頑張っていたんじゃない?(笑)可もなく不可もない普通の人生がいいとずっと思ってた。今の私は可もなく不可もない毎日で、嵐とか大橋くんとかそこで繋がったお友達が楽しいことをたまに連れてきてくれる。もう絶対あの頃みたいな生活はしたくないけど一生懸命に生きて、生きてることを実感しながら過ごすの、ちょっと羨ましい時があるよ。ないものねだり。今も悩むことはあるし要領良く生きれないしなにもない自分である事には変わりないけど、きっと今幸せなんだから、この穏やかな幸せをもうちょっと大切にして生きていきたいね。
当たり前にあると幸せを忘れちゃいそうになる。
なるべく早くに死にたいと思ってたあの頃。お互い寿命まで生きれればどう考えたって翔くんが先にいなくなってしまうから。唯一の私の味方を失うのが怖かったから先に死にたかった。今の私はちょっとでも長く生きたいと思ってる。なんか、大橋くんってめちゃくちゃ生きそうだから….。当たり前みたいな顔で「医療も進歩してるやろうから100までは生きるでしょ〜」ってなんかの雑誌で言ってた。大橋くんが言うとそうだよねってなってしまうから不思議だ。あとは翔くんが神様になってくれたら完璧だよ。なんて真剣に考えてる(笑)こんなことを考える余裕が今はある。スキンケアに30分かけてのんびりダイエットする時間もある。心が揺さぶられるような大きな出来事がなくても私は恵まれていて幸せな毎日を送っていること忘れたくない。

君の毎日は幸せかい?
僕はそうだな それなりに幸せかもね。
(夕焼け雲/ゆず)


ずっとこうなりたかった。
幸せかと問われた時に悪くないよって幸せかもねって言える日がほしかった。

きっと今なのかもしれない。


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