台風の目
今日も一日、平和で心穏やかに過ごせますようにと、毎朝祈っている。
寝る前には、明日の平穏をまた祈る。
どんだけ平和好きなのか。
昔は波乱万丈に憧れたのだが、今はとにかく平穏でいたい。
何にもかき乱されることなく、心しずかに一日を終えたい。
平常心でいるときが、人として一番まともでいられるから。
私の平常心は、ちょっとした刺激にすぐ反応して乱れやすい。
だからこそ、朝晩のお祈りで防御する。
気休めかもしれなくても、そうせずにいられない。
それなのに。
何かしら人と関わっていると、予測不能な暴風というのは突然やってきて、お祈りで作ったやさしい防御壁を簡単になぎ倒す。
あれ?お祈りしたのにおかしいなぁと思いつつ、あきらめて受けて立つ。
動揺しているのに落ち着いた顔をして、風圧を精一杯冷静に受け止め、対処しようとする。
そんな風に過ごした日の夜は、だいたい寝つきがわるい。
不意の刺激を浴びて、高ぶった神経を処理し切れなくなり、不具合を起こすのだ。
自分あるあるで、パターンは読めている。
こんな日は今までたくさんあったし、これからも間違いなくある。
だから深みにはまらずに平和に立ち返れるように、いくつか対策を持っておくしかない。
眠れないときは安眠サプリを飲む。
あたたかい食事を摂る。
服はリラックスできるもの。
テレビや音楽のない、無音の状態で過ごす。
夜の灯りはオレンジ色のにする。
ひとりで、じーっとする。
いくつかあるけれど、あったかいものを食べ、ひとりでひたすらじーっと過ごすのがいちばんの回復方法かもしれない。
台風の目の中は、青空が広がっていて、風も穏やかだという。
私が立っていたいのはそんな場所だ。
時には暴風になぎ倒されそうになっても、台風の目のありかを目指し、いつでも駆け込めるようにしていたい。