書評:『「全世界史」講義 II 近世・近現代編』(出口 治明)
書評:『「全世界史」講義 II 近世・近現代編』(出口 治明)
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この本は、ヨーロッパの時代から、第二次世界大戦を経て、アメリカの時代に移り変わる様を良く描いていると思いました。今回も面白く読ませて頂きました。世界史をグローバルに捉える事は重要だと分かりました。
(昨今の政治家や、自民党の幹部や、安倍総理大臣には、是非とも読んで頂きたいと思いました。小泉進次郎さんも読んだら良いと思います。石破さんは既に読んでいそうですね)
さて、読んで、印象に残っている事と言えば、次の通りです。
14世紀の中国の大船団が、大航海時代(小航海時代)よりも大規模だったのだけど、暗君が船団を壊して、万里の長城の修理に回してしまう。大船団がインド洋にいなくなって、そこに海賊がでてきて、その隙に、欧州の小舟が世界を渡りだした。ポルトガルとスペインが出てきた。暗君は本当に害が大きい。
南米大陸からジャガイモが来た。これの効率が良いので、飢えが無くなって、欧州は豊かになった。病気を輸出して、南米の人類の人口は減った
銃が広まって、歩兵が騎馬に勝つようになる。モンゴルの時代の終わり
中国に全然勝てなかった英国だが、麻薬で中国経済から富を奪い取り、次第に逆転していく。金がなかったから、植民地経営を東インド会社に任せる。ちなみに、東インド会社の設立のオリジナルはオランダ。
産業革命で英国が強くなる。
明治の日本の軍国主義は愚か。外交のバランスとか、国家の勢力バランス等を冷徹に見れる人が大正時代ぐらいになるといなくなってしまい、第二次世界大戦で人がたくさん死ぬ事になる。戦略眼と言うか、大局観が無い。明治の頃はあったのだが。
日英同盟は、英国から見るとロシアをおさえるための道具でしかなかった。
「世界の勢力バランスと外交戦略が見えていないと、無茶な戦争をしちゃうんだな」と思った。
日本のWWIIは開戦自体が失敗。ちゃんと国同士のバランスが分かっていない、考えられる政治家がいなかった事が問題。
WWIIでのルーズベルトが偉い。
宇宙開発でソ連強すぎ。米国はしばらく後追いだった。
戦後の日本の政治はうまくやった。吉田茂が偉い。
冷戦とゴルバチョフが作った70年の世界のだいたいの平和はもう終わってしまった。本当に、我々は、安全保障と、政治家を真面目に考えていかないと、今まで70年間のような豊かな暮らしは出来ず、悲惨な世の中にしてしまいかねないので、しっかり考えて政治家を選ぼうと、心の底から思いました。
また、欧州が世界の中心だったのはつい最近のころだけなので、それが米国の世の中に移り、またパラダイムシフトとともに違う国に動く事も珍しくはない。ただ、
馬が引く戦車 ⇒ 騎兵 ⇒ 銃歩兵 ⇒ 戦車 ⇒ 飛行機 ⇒ 宇宙
というパラダイムシフトとともに、世界の中心は変わってきたので、この辺りは安全保障を考える上でも重要であると思いました。