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大学説明会でフィリピン・マニラを訪れた思い出:元教授、定年退職140日目

これまでヨーロッパやアメリカの滞在記をお届けしましたが、今回はアジアです。実は、前回のソルトレイクシティ訪問のわずか10日前、大学間のパートナーシップ締結を目指したプロモーション活動の一環として、突然フィリピンのマニラへの訪問を命じられました(タイトル写真)。

このような時間もあるかなと期待して行ったのですが・・・(絵ハガキです)
実際は市街地のみの訪問でした


この訪問は、現地の教員や学生への大学紹介がメインで、分野の異なる教授と事務職員の約10名が参加しました。訪問先は、フィピンでは最高峰の名門である、私立のデ・ラ・サール大学と国立のフィリピン大学でした。フィリピンを訪れるのは初めてでしたが、基本的に英語が通じると聞き、安心して臨むことができました。ただし、特にデ・ラ・サール大学のあるマニラ市街では、いくつかの注意が必要とのことでした。

事務担当者から受けた注意としては、例えば、「水が合わない可能性があるため、生水を飲まないこと」がありました。もちろん気を付けようとは思っていましたが、レストランでもグラスの水を飲まない、コーラを頼む際も氷を入れない、朝の歯磨きにはペットボトルの水を使用する、など厳しいものでした。


まずは、マニラ市街に位置するデ・ラ・サール大学を訪れました。歴史あるカトリック系私立大学で、学生数は2万人に近い大規模校です。教員や学生たちは明るく、とても熱心な雰囲気が伝わってきました。学生実験の様子も見学させてもらいましたが、非常に真剣に実験に取り組む姿が印象的でした。その後、大講義室で大学紹介と各分野の説明を行いましたが、こちらも大盛況で学生から多くの質問が寄せられ、その情熱と誠実さに驚かされました。

デ・ラ・サール大学(注1)


夜には、現地教員との懇談会がありました。会場のホテルまでは徒歩で移動しましたが、治安上の理由から一列に並んで移動するよう指示がありました。大学内は静かで落ち着いた雰囲気でしたが、確かに、周囲は高いフェンスで仕切られていました。言われたとおりに一列で移動しましたが、怖い思いをすることは全くなく、道中では数人の土産物売りに声をかけられただけでした (笑)。

ホテルに着いてからは、デ・ラ・サール大学教員たちとの懇談会が行われました。話を聞いてみると、彼らの半数ほどが日本に留学経験があるとのことで、懐かしそうに当時を振り返っていました。彼らの多くは、日本に比べて研究システムが未整備であることを嘆いていましたが、これだけの熱意があれば心配ないだろうと実感しました。また、日本人とフィリピン人の国民性の違いや、教育方法、研究指導法など話題は尽きることなく、その場で共同研究や留学に関する具体的な話も進展しました。会は大いに盛り上がり、最後には、朝に注意された氷や水の件もすっかり忘れ(笑)、皆で杯を酌み交わし語り明かしたのでした。


翌朝はお腹の調子が少し心配でしたが、全く問題ありませんでした。この日はフィリピン最古の大学であるフィリピン大学に場所を移し、プロモーション活動を続け、夜には帰国の途につきました。時間が押していたため、空港で急いでお土産を購入。奥様には手縫いのレースのハンカチときれいな宝石箱(中身は後日?)を買いました。帰りの便では、隣席の研究科長(学部長)と話をしているうちに、実は出身大学が同じだとわかり、昔話に花を咲かせているうちに、あっという間に日本に到着しました。フィリピンでの短い滞在でしたが、異文化に触れ、教育・研究に対する熱い思いを共有できた、とても意義深い旅になりました。

フィリピン大学(注2)
奥様へのお土産(まだ中身は?)


また明日も、旅の話を続けます。お楽しみに!

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注1:デ・ラ・サール大学、ホームページより
注2:フィリピン大学、ホームページより


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