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「モノポリー」の街でのカジノ体験記: アトランティックシティの思い出 (元教授、定年退職221日目)
アトランティックシティを訪れたのは 30 年前、アメリカ留学時の正月休みにワシントンDC を訪問した際のことでした。以前から憧れていたカジノを体験しようと、わずか1泊でしたが、急遽ワシントンから足を伸ばすことにしました。
アトランティックシティはラスベガスほどではないにせよ、東海岸最大のカジノがある観光都市です。ニューヨークやフィラデルフィアからも近く、海岸のリゾート地としても栄えています。車が街に近づくと、高層ホテル群が姿を現し、期待が否応なく高まりました(下写真)。
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トランプのタージマハルホテル
その中でもひときわ存在感を放っていたのが、トランプさん所有の「タージマハル」ホテルでした(屋上に大きく「トランプ」と掲げられていますね:下写真)。迷わずこのホテルに決め、まずはホテル前に広がるアメリカ最古の「ボードウォーク」を散策しました。約 20 メートルもの幅があり、全長 10 キロにも及ぶ板張りのボードウォークは、片側にカジノやレストランが立ち並び、反対側は海に面しており、潮風を感じながらのんびりと歩くことができました(下写真)。
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ホテルの宿泊料金は比較的手頃でしたが、バスルームの蛇口に至るまで金色の装飾が施され、その豪華さに圧倒されました(下写真)。カジノに行く前に腹ごしらえをとホテル内のレストランに行くと、そのボリュームと価格の安さに再び驚かされました(約 500 円のアップルパイを頼んだら、なんと熱々のアップルパイがホールで運ばれてきて、度肝を抜かれました)。「部屋も食事もこれだけ安いということは、きっと地下のカジノで私たちから元を取る気だな」と、奥様と笑い合いました。
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アトランティックシティでの初カジノ体験
いよいよカジノに突入です。
<追記> 当時、奥様は 30 才過ぎでしたが童顔だったせいか、入り口でガードマンに止められて「年齢を証明できるものを見せて下さい」と言われました。パスポートを見せると「OK !」と笑われました(汗)。
スロットマシンやルーレットで軽く肩慣らしをした後、少しだけルールを知っていたブラックジャックに挑戦しました。近くにいた常連と思われる男性に初心者であることを伝えると、親切にルールやマナー(カードをもらったりストップする仕草、賭け方など)を教えてくれました。
ゲーム開始です。一番レートの低いテーブルでも、最低賭け金は 25 ドル(当時、超円高とはいえ 約 2500 円!)。しかも周りを見ると、体格のいい年配の方々ばかりで、かなり緊張しました。ただ、よく見ると、皆さん穏やかで紳士的な雰囲気だったため(田舎からで出てきた裕福な老夫婦のイメージ)、次第に緊張も和らぎ、安心してゲームに没頭できました。
ゲーム中、私が妙な賭け方をすると隣の常連から「流れを乱す」と注意されたりしました(彼は、私の 10 倍の額を賭けていました)が、数時間たっぷり楽しみました。私は、皆さんの邪魔をしないように勝ったり負けたりを繰り返しましたが、最終的には 100 ドルほどのプラスで喜んで部屋に戻りました。夜中にこっそり、再度カジノへ繰り出すことも考えましたが、疲れてそのまま熟睡してしまいました(今思えば、これが賢明な選択だったのでしょう)。
モノポリーとアトランティックシティの記憶
日本に帰国後、友人たちと「モノポリー」というボードゲームで遊んでいました(タイトル写真:注1、下写真)。モノポリーは、日本でもお馴染みの「双六」や「人生ゲーム」のように盤上を周回していくゲームです。面白いのは、それに加えて他のプレーヤーと取引をしたり、破産したりするなど、経済的な要素が加わった知的なボードゲームでもあることです。
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驚いたことに、ゲームを進めていくうちにアトランティックシティの地名が次々と登場することに気付きました。そう、「モノポリー」はアトランティックシティの地名を基にしたゲームだったのです。実際に訪れた場所がゲームに登場すると、ますますゲームが面白く感じられました。(タイトル写真内にも「ボードウォーク」の文字や大通りの名前が見えます)
現在ではネットで楽しめるデジタル版(下写真)や持ち運び可能なポケット版、東京の地名を使ったローカライズ版など、様々なバリエーションで楽しまれているようです。
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注1:アップル、App Store 内の販売リストから
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