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ハリー・ポッターのシロフクロウと森の忍者モリフクロウの知られざる能力 (元教授、定年退職304日目)

ハリー・ポッターのヘドウィグから知るシロフクロウの魅力

私の書斎の机の前には棚があり、そこには出張先で奥様のために購入した小さなぬいぐるみたちが並んでいます。その中に、ロンドンのキングスクロス駅で購入したシロフクロウのぬいぐるみがあります。これは、「ハリー・ポッター」で人気の9と 3/4 番線のそばにある公式ショップで、多くの観光客をかき分けて購入したものです(タイトル写真)。この愛らしいシロフクロウは、映画に登場するハリーの飼いフクロウ、ヘドウィグだそうです。西洋では、フクロウは知恵の象徴とされており、映画でもハリーを賢く助ける姿が印象的です。


NHK「地球ドラマチック」の猛禽類特集を観て

今回ご紹介するのは、NHK の「地球ドラマチック」という番組で放送された「最強のハンター! 猛禽類 ~極限に生きる~」(下写真)の特集です(語り:安田成美さん)。非常に興味深い内容で、フクロウ以外にも、ワシ、トビ、タカ、ハヤブサなど多くの猛禽類が登場し、大変楽しませていただきました。note では、2回に分けて取り上げさせていただこうと思います。フクロウとしては、シロフクロウとモリフクロウが特集されていました。

NHK「地球ドラマチック」の中の猛禽類特集(注1)


北極の白い影—シロフクロウの生態と狩りの様子

シロフクロウは、雪のように白い羽毛で知られており、地球上で最も過酷な環境の一つである北極圏とその周辺のツンドラ地帯に広く生息しています。気温がマイナス60度にもなる極寒の中、シロフクロウは分厚い羽毛によりその寒さに耐えることができます。メスの体には黒い斑点があるため、ハリーポッターのヘドウィグ(ぬいぐるみ)はメスですね(下写真もメスです)。シロフクロウは、1日あたり自分の体重の4分の1の肉を食べます。広大な範囲を飛び回ることができ、翼を広げると 1.5 メートルにも達し、何千キロも移動することができます。映像では、白い体で長距離を低空飛行する様子が捉えられており、獲物からは雪の中で非常に見えづらいようです。(下写真もどうぞ)

極寒の北極圏に生息するシロフクロウ(注1)


番組では、町に出現したシロフクロウの姿も追っていました。ここでは食糧が豊富で、多くのネズミがいますが、それもやがて尽きることになります。そうなると、シロフクロウは再び飛び立ちます。このようにして、シロフクロウは頻繁に旅をし、生活拠点を変えます。日本でも、冬季に北海道で稀に観察されることがあるそうです。(下写真もどうぞ)

町に出現したシロフクロウ(注1)


森の忍者、モリフクロウ:暗闇を支配する夜の狩人の驚異的能力

以前、吹田市のエキスポシティ「ニフレル」を訪れた際、私は放し飼いコーナーでモリフクロウを見たと思い込んでいましたが、実際には「アナホリフクロウ」の子どもでした(顔が似ていたのですね)。下写真のように、トイレの掲示版の上に可愛らしく留まっていました。

エキスポシティ「ニフレル」で見かけたアナホリフクロウ(注2)


モリフクロウは、ユーラシア大陸北部や日本に生息する中型のフクロウです。日本では、九州以北から北海道にかけて分布しており、平地から低山、亜高山帯の森林、農耕地、草原、里山などに生息しています。大木の多い社寺林や公園でも見られます。

モリフクロウは、月明かりに照らされた森の奥で暮らす究極の夜行性ハンターです。優れた聴力と鋭いカギ爪を持ち、獲物との距離を正確に測るために正面にある2つの目が特徴です。また、首を後ろまで回すことができるため、体を動かさずに背後を確認できます。「森の忍者」と称されるほど、飛行中は空気の流れを乱さずにほとんど音を立てず、獲物に気づかれることなく狩りを行うことができます。また特筆すべきは、空間記憶力を持ち、完全な暗闇でも道筋を記憶し、自由に飛び回ることができる点です。枝に留まり、獲物が発する音に耳を澄まし、これらの特殊な能力を駆使して縄張り内を自在に狩猟します。(下写真もどうぞ)

完全な暗闇でも自由に飛び回れる「森の忍者」モリフクロウ(注1)


これまで木に留まった動かないフクロウをよく見かけていましたが、今回の映像を通じて、フクロウには多彩な特技や特性があることを知りました。大阪にもフクロウカフェがあるとのことなので、ぜひ一度訪れて、じっくりと観察してみたいと思っています。


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注1:NHK 番組「地球ドラマチック:最強のハンター!猛禽類 ~極限に生きる~」より
注2:エキスポシティ「ニフレル」ホームページ
https://www.nifrel.jp/?letrotab=10200


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