90年代アメリカの気楽なパーティー: トルティアチップスとバッファローウィング(元教授、定年退職216日目)
前回、アメリカでのスーパーボールのテレビ観戦パーティーについて触れました。それは 30 年前のことですが、当時のカジュアルなパーティーの様子をもう少しお話ししたいと思います。
(大学のアメリカンフットボールの面白い写真も出てきたので、一番下に載せました)
男だけの気楽なパーティー:グダグダな楽しみ方
男性だけのテレビ観戦パーティーは、非常にリラックスした雰囲気でした。時間通りに来る人などほとんどおらず、初めて参加したときには、誰も来ていないため時間を間違えたのではないかと不安になるほどでした。やがて三々五々参加者が集まり始めますが、みな何かしらの飲み物を持ってきます。特に挨拶もなく、適当なグラスを手に取り、好きな飲み物を勝手に注ぎます。化学者の家なので、グラスは実験器具のようにピカピカでした(笑)。
定番のトルティアチップスを自分用の紙皿に山盛りにし、ディップ用のサルサソースを小皿に取ります(タイトル写真:これは最近の日本のものですが)。当時、どのパーティーに行ってもこの組み合わせはお馴染みでした。食べ過ぎると翌日大変なことになる、強烈に辛いサルサソースもありました。そして適当なソファーに座り、あとはひたすらだらだらと過ごすわけです。
食事としては、主催者はピザを注文するくらいで、他は野菜やスナック類が中心でした。お腹が空いた頃に、誰かが中華料理のデリバリーを頼んだりしていました(映画でもよく見る、取っ手のついた小さな白い箱に入っていました。当時は UberEats もなく、ピザ以外の選択肢は限られていました)。そういえば、私が帰国する間際に近くにタコベルができて、メキシコ料理好きの学生たちは大喜びしていました(中華のデリバリーはタコベルに取って代わったかもしれません)。
スーパーボールとバッファローウィング
スーパーボールのパーティーでは、誰かが気を利かせて「バッファローウィング」を山盛り用意していました。地元のバッファロー・ビルズを応援するためだったのでしょうが、食べてしまうのは逆効果のようにも思われました(日本では縁起が悪いですよね)。しかし誰もそんなことは気にしていませんでした(笑)。
バッファローウィングとは、手羽先を素揚げにし、辛味のあるソースとペッパーで味付けした、イタリア系アメリカ人のソウルフードだそうです。バッファローが近いため、単に「チキンウィング」とも呼ばれていたように思います(記憶は定かではありません)。手づかみで食べるため、そこらじゅうベトベトになりますが、これがまた病みつきになる美味しさなのです。最近、大阪の UberEats でバッファローウィングがありましたが、比較的高価だったため諦めました。
女性陣がもたらす変化
さて、このような気楽なパーティーも、研究室の女性メンバーもしくは奥様やガールフレンドを招くと、雰囲気ががらりと変わります。多くの女性が手料理を持参し(ほとんどがサラダやゼリーなど簡単なものですが)、場が華やかになり、参加者の行儀も少しは良くなります。うちの奥様は、「若い学生たちにはタンパク質が必要」と考えて、よく一口カツなどを持って行きましたが、それは大抵一瞬でなくなり、「おかわりはないの?」と催促されるほど好評でした。
日本とアメリカのパーティー文化の違い
特に印象深かったのは、パートナーを気軽にパーティーに連れてくる文化です。アメリカでは当たり前のようで、誰も何も言わず、何も聞かず、自然に受け入れています。連れて来られた方も気疲れしそうに思いますが、普通に楽しんでいました。良い習慣だと思い、私も日本で研究室のコンパにパートナーを連れてくるよう提案してみましたが、やはり恥ずかしいようで実現しませんでした。せいぜい参加するのは、大学近くに就職した研究室 OB でした(学生にとってはお財布代わり?)。
フォーマルなパーティー(お呼ばれ)となると、様子が少し変わってきます。次回はそんな話をしたいと思います。
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下の写真は、前回の続きです。お楽しみ下さい!
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