元教授、化学変化を利用した 「白抜きペン」 にはまる:定年退職84日目
以前、消せるボールペン「フリクションペン」について何度か書き、その進化の様子を紹介しました。今回は、さらにその新しい展開に加え、他社ですが非常に興味深いペンを見つけたのでご紹介します。
フリクションペンの新しい展開
パイロットの新シリーズ「イルミリー」の第3弾「カラー・トゥ・カラー」という商品です(下写真)。このシリーズは、第1弾はやさしい色合いのインク、第2弾は手元のおしゃれを楽しむコーディネート、そして、その次の第4弾は「黒」の違いを楽しむ、第5弾は香りをコンセプトにしたプロジェクトです。今回紹介する第3弾は「こすると色がかわる。できたことがひと目でわかる(注1)」という、タスク完了の達成感を得る商品です。すでに色が消えるフリクションペンがある現在、明確な用途がなければ受け入れられません。その点、このコンセプトは秀逸だと感じました。
前回の記事では、「今後使用して評価します」とお伝えしたので、早速使ってみました(下の2つの写真、上2つ)。先に述べたように、タスクの完了を示すことが目的なので、劇的な色の変化は必要なく、このペンは「同系色で濃い色から薄い色に」変化する仕様になっています。これは目的に非常に合致しており、実用性が高いと感じました。しかし、それ以上の用途では少し面白みに欠けるのを感じました。そこで同社のHPを見てみたところ、数量限定の「ブルー/ソーダ」、「ナイト/サクラ」という、より大きい変化も楽しめる限定色が販売されていることを知り、これならと思い現在取り寄せ中です。
個人的に気になる点としては、ペン先が 0.4 mm と私にとっては細すぎることと価格が250円と比較的高いことがありますが、機能自体はとても面白いので引き続き使ってみようと思います。また、このシリーズのマーカーも販売されています(上の2つの写真、一番下:150円)。こちらは、ラバーで擦る時間が長い点が難点ですが、大きな色の変化が得られる点が魅力です。こちらも限定カラーを取り寄せ中です。
白抜き文字が簡単に書ける「デコット」
さて、今回最も紹介したいのは、サンスター文具の「デコット」というペンです。これはマーカーとペンが一体化したペンで、今までなかった「白抜き文字が簡単に書ける」のです。実際に使ってみると、これが実に楽しい! 発売から1年半とのことですが、人気のため、入手困難になっているのも納得です。
使い方は簡単で、まずマーカーで色を塗り、その上からペンで字や絵を描くと、塗った部分が白抜きになるのです。この白抜きは、白いインクを重ねているのではなく「化学変化によりマーカーの色が変わる」仕組みです。実際、ペンだけを使っても色はつきません。
それでは、「ペンで先に書いてからマーカーで塗ったらどうなるのだろう?」と思い、試してみました。すると、なんと白抜きになるではありませんか! これはすごいと思い、サンスター文具のHPを見ると、すでに紹介されていましたw。子供の頃の遊びの「あぶり出し」のようで、秘密のメモにも使えそうですwww。
半年ほど前には、白抜きではなく様々な色に変わるペンも発売され、イラスト制作の人たちに好評だそうです。私もAmazon で購入してみました。1本だけ欲しかったのですが、人気のためかセット販売しかなく、仕方なく8本セットを購入(下写真)。使ってみると、これが楽しくて大正解でした(タイトル写真)。組み合わせ次第で様々な表現ができ、個人的にはバイオレットの地にライトグリーンや、ブルーの地にピンクの文字を書ける組み合わせがお気に入りです(タイトル写真:真ん中の列の一番上と下)。
つくづく思いますが、文房具メーカーの進化には本当に感心します。では、また。
―――――
注1:パイロット「イルミリー」 HP より