元教授、全米生中継の 「アメリカ最古球場での MLB 試合」 をテレビ観戦: 定年退職83日目
今回は違う内容を書く予定でしたが、偶然にも、とても貴重な試合がテレビで放映されていましたので、急遽その話題をご紹介します。朝7時半ごろ、NHK BSをつけて「虎に翼」と火野正平さんの「にっぽん縦断 こころ旅」を見ながら朝食をとっていました。その後、 MLB の「ジャイアンツ vs. カーディナルス」の試合が始まりました。大谷選手がいるチームの試合ではありませんが、WBCで日本代表として活躍したヌートバー選手(カーディナルス所属)の姿が見られるかと思い、チャンネルをそのままにしていました(注1)。
すると、「この試合は全米生中継で放映されています」とのアナウンス。何事かと耳を傾けますと、今日はアメリカ最古の球場での記念試合でした(注2)。また、ウィリー・メイズ元選手が数日前に亡くなったこともあり、追悼の意も込められていたようです。ウィリー・メイズ選手といえば(私は名前しか知りませんでしたが)、MVP、ホームラン王、盗塁王、ゴールドグラブ賞を複数回獲得した、MLB の史上最高のオールラウンドプレイヤーでした。彼は 3000本以上のヒットと600本以上のホームランを打ち、生涯打率も3割を超えた伝説的な選手です。本日の試合では、全選手が彼の背番号24を左胸につけてプレーしていました。
試合が行われたのは、アラバマ州のバーミンガム(陸上のカール・ルイスもこの町の出身)にあるリックウッド球場です。この球場は当時の「ニグロリーグ」の主要な球場であり、今日はその「ニグロリーグ」に敬意を表しての試合でもありました。テレビではリックウッド球場の詳細を見せてくれたのですが、古き良き球場特有の趣がありました(タイトル写真はその入り口の様子です:注3)。
まず驚かされたのは、球場の中に入りますと、当日のスターティングメンバーが「チョーク」で記入されていました(下写真)。そして、外野席はほとんどなく観客はそれほど多くは入りませんが、先日書いたフェンウェイ球場同様、観客席には昔ながらの独特の雰囲気がありました。外野フェンスは木製で、スコアボードも手動、まるで数十年前に戻ったかのようです(その横には、大きなビジョンも一応ありましたが)。アメリカのテレビ局も、演出として時折「白黒テレビ」風のレトロな映像に切り替えるなど、趣向を凝らしていました。
試合開始前には 30 分ほどの式典が行われ、昔の選手たちへのリスペクトが伝わり、感動的でした。私はいつもは式典を見ないのですが、今回は最後まで見入ってしまいました。ゲストには、バリー・ボンズ氏やケン・グリフィー・Jr 氏らが駆けつけていました。そして最後にアメリカ国歌が歌われ、そのサビの絶妙のタイミングで「ジェット機の上空通過(フライオーバー)」(下写真)。会場は大いに盛り上がりました。
試合は1万人にも満たない観客で比較的落ち着いた感じで進行しましたが、内容は白熱した大接戦となり(最終結果は、6-5でカーディナルス勝利)、最後まで目が離せない、手に汗握る熱戦でした。
ーーーー
注1:ヌートバー選手は、残念ながら、負傷のため長期離脱中で、この試合には出場していませんでした。
注2:先日の私の原稿で、全米最古の MLB 球場としてボストンのフェンウェイ球場をご紹介しましたが、今回のリックウッド球場は(フランチャイズ球場ではないものの)、フェンウェイ球場より2年早くオープンしたとのことです。
注3:タイトル写真および他の写真は全て NHK BS の画像から