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未来モノづくり国際EXPOで見つけた驚きの技術: 自動運転モビリティから次世代台車まで (元教授、定年退職230日目)

11 月 13 日から 15 日までの3日間、「第2回 未来モノづくり国際 EXPO 2024」 がインテックス大阪で開催されました。本展示会は日本国際博覧会協会の協力のもと、日本の産業技術を国内外に発信するとともに、2025 年大阪・関西万博への期待を高めることを目的としています。展示は、モノづくり基盤技術、ロボット関連技術、先端テクノロジー、水・ファインバブル・環境技術、ファクトリー建設/減災、Well-being Tech の6分野で構成されていました。

未来モノづくり国際EXPO 2024

また、同時開催の「新価値創造展 OSAKA」(主催:中小企業基盤整備機構)では、全国から 80 社の革新的な技術や製品・サービスが出展されました。私はこの2つの技術展に参加しましたので、その報告をいたします。

新価値創造展 OSAKA

<追記> 会場の「インテックス大阪」は、大阪ベイエリアの咲洲に位置し、来年の大阪・関西万博会場(夢洲)や USJ にも近接しています。私にとって今年2度目の訪問で(前回は高機能素材 Week [大阪] で、その時の様子は note (5/12-17) に記載しています)、秋の深まりとともに会場前の銀杏並木も黄金色に色づきかけていました(下写真)。

銀杏並木も黄金色に色づきかけている会場前


今回は、日本ロボット工業会などが主催者に加わっていたこともあり、会場に入るとすぐにロボットが近づいてきました。そのロボットのモニターには遠隔操作をしているおじさんの顔が映っていましたが、通行人と衝突しそうになると自動で回避していました。その他にも、あちこちでロボットが歩き回っており、映像でしか見たことのなかった犬型の四足歩行ロボットが器用に走り回る様子も見られました(タイトル写真)。そして、多数展示されていた産業用ロボットからは、この分野における技術革新の素晴らしさが伝わってきました。ただ、中には完全にロボットに見えるものの、何か怪しかったので「人ですか?」と尋ねると、「シー」と指で合図されるものもいました(笑)。


自動モビリティの最先端

自動運転モビリティの分野では、特に印象的な2つの製品を体験しました。下写真のように、1つは遊園地で見るような可愛らしい一人乗りの歩行速モビリティ「RakuRo(ラクロ)」((株)ZMP 製)です。運転は自動で、出発点と終点をタブレットで設定すると動き出します。車の各所にカメラとセンサー、マイクが設置され、時速は4〜6キロ。若干運転はぎこちないですが、係員が前を塞ぐと停止し、声をかける機能も備えています。用途に応じて警備ロボや配達ロボなども用意されていました。

ZMP 製の一人乗りの歩行速モビリティ「RakuRo(ラクロ)」(奥は荷物配達用)


もう1つは、以前話題になったセグウェイのような立ち乗り型でシンプルなデザインの運転モビリティ「SCOO XT」((株)キュリオ製)です(下写真)。こちらは自分で運転するタイプ。4輪で非常に安定しており、法律上は歩行者として扱われるそうです。最速6キロ弱でスラロームを走ってもバランス良く曲がるので、運転が楽しく感じられました。バックも可能で、多少の段差も問題なく、後ろにキャリーを付けることで最大 100kg の荷物を運搬するのにも適しています。2時間の充電で約 13 キロ走行可能で、販売価格は 44 万円。もう少し廉価版が出ると、さらに普及するかもしれません。

キュリオ社製の運転モビリティ「SCOO XT」


電動アシスト台車の実力

台車の体験も行いました。以前、私はドラッグストアのポイントで入手した小さな台車を家で使用していましたが、音が大きく、操作性も悪いものでした。壊れたのを機に、テレビで特集されていたトラスコ中山の「カルティオ」というやや高めのモデルを購入しました(下写真)。静音性が高く軽量で、転がりも滑らかです(畳むと持ちやすく、片手で持ち上げることもできました。また、ユニクロを訪れた時に同じものが使用されているのを見て、「プロも使っているのか」とうれしくなりました)。

トラスコ中山の「カルティオ」

会場では「アシストホイールドライブ」という IDEC(株) 社の台車の実演があり、実際に体験させていただきました(下写真)。電動アシストにより、重い貨物の運搬が楽になり、ボタンを押すとスムーズに動きます。最大1トンまで対応でき、ほとんど負荷を感じませんでした。インホイール構造により様々なタイプの台車に取り付け可能で、汎用性も高いのが特長です。ロボットではありませんが、こうした補助ツールの進歩にも感心しました。

IDEC 社製アシストホイールドライブ(配付資料より)


今回の EXPO は素材関係の取材で訪れたのですが、多くの興味深い体験をしたので、ロボットを中心に報告してしまいました。次回は、本展示会で見られた素材技術の革新についてご紹介いたします。今回ご紹介した製品群を通じて、日本のモノづくり技術が確実に進化していることが感じられました。


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