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ノルウェー再発見: NHK「一本の道」で知る絶景のフィヨルドへの旅 (元教授、定年退職308日目)

今回は、北欧の国、ノルウェーの魅力について書きたいと思います。私は高校時代、大学入試で「地理」を選択するほど地理が好きでした(共通一次試験開始の前年)。その興味の始まりは、小学校の頃から地図帳を眺めるのが趣味で、様々な地図を見ることに喜びを感じていたからです。しかし、そんな私でもノルウェーについての知識は、ヴァイキングの時代、首都オスロ、そして独特の地形であるフィヨルドぐらいしかありませんでした。あとは、好物のアトランティック・サーモンぐらいでしょうか。「諾威」という漢字表記も、今回初めて知ったくらいです(ATOK で変換可能)。

<追記:知られざる世界一の国> 調べてみると、ノルウェーは驚くべき魅力を持つ国だとわかりました。一人当たりの国民総所得(2015年)、人間開発指数、民主主義指数、世界報道自由度指数、ポジティブ平和指数、ジェンダー指数、ジェンダー・エンパワーメント指数、最高税率など、多くの指標で世界一位を誇るのです。高い税金は少し気になりますが、他の指標は総じて国民の幸福度の高さを示しています。EU には加盟していませんが、NATO の加盟国であり、男女ともに徴兵制度があります。歴史的には、古くからノルマン人が居住し、デンマーク・スウェーデンとの連合王国を経て、1905 年に独立。豊富で安価な水力、北海油田、鉱物資源に恵まれ、工業国でありながら漁業も盛んです。


NHK「一本の道」に誘われて: ノルウェーの雄大な自然を巡る

そんなノルウェーへ興味を掻き立てられたのは、NHK 番組「一本の道」の再放送「"フィヨルドの道"を歩く ノルウェー」を視聴したことがきっかけでした。この番組では、古野アナウンサーが、かつて来日して柔道を学んだ経験のあるノルウェー人写真家、ビョルネさん(日本語で「クマ」の意味)と共に、渓谷を下りフィヨルドを目指す旅に出ました。(下写真もどうぞ)

NHK 番組「一本の道」(注1)
「"フィヨルドの道"を歩く ノルウェー」(注1)


旅の出発点は、世界的に有名なベルゲン急行の停車するミュールダール。そこから渓谷を下る 36 キロの一本の道を歩き始め、アウルランフィヨルドを目指しました。道中、壮大な滝を目の当たりにしながら、大自然の中へと進んでいきます。滝の迫力は、形が似ていた日光・竜頭の滝を遥かに凌ぐもので、圧倒的な水量に驚かされました。(下写真もどうぞ)

渓谷を下る 36 キロの一本の道を歩き、アウルランフィヨルドを目指します(注1)
道中の壮大な滝(注1)


ブラウンチーズとラズベリー: ノルウェーの味覚と自然を堪能する旅

さらに、彼らはヤギを飼育する農家のカフェに立ち寄り、名物のブラウンチーズを試食しました。ブラウンチーズについては、以前 note で、帯広の高校生たちが自作する様子(11/27)やブラウンチーズを探す旅(11/30:結局見つからなかった)について紹介しましたが、本場での映像で見るのは初めてでした。ヤギの乳から作られた茶色いチーズは、キャラメルのようなまろやかな風味とのことで、古野アナウンサーはラズベリージャムと一緒に楽しんでいました。さらに印象的だったのは、途中で野生のラズベリーを摘み、串に刺して団子のようにして食べながら歩く姿で、二人は自然の恵みを満喫していました。(下写真もどうぞ)

ヤギを飼育する農家のカフェに立ち寄り、ブラウンチーズをいただく(注1)
野生のラズベリーを摘み、串に刺して食べながら歩く(注1)


そしてついに、目的地のアウルランフィヨルドに到着。目の前に広がる雄大な景観は、その美しさに息を呑むほどでした。さらに彼らは、フィヨルド沿いのデュールダルという集落に一人で暮らす住人を船で訪ね、壮大な自然と共生する人のたくましさに触れました。このように「一本の道」は、私にノルウェーの新たな一面を見せてくれました。(下写真もどうぞ)

目的地のアウルランフィヨルドに到着(注1)
フィヨルド沿いの集落に一人で暮らす住人を船で訪ねる(注1)

<追記:フィヨルドについて> フィヨルドとは、ノルウェー語で「入り江」を意味し、約 100 万年前の氷河期に氷河が谷を深く侵食してできた U 字谷が、氷河が溶けた後に海水が流れ込んで生まれた独特の地形です。ノルウェーの海岸線にはさまざまなフィヨルドが点在し、ノルウェーの自然を象徴する景観となっています。中には水深が 1,000 メートルを超えるものや、長さが数キロから数百キロに及ぶものもあります。切り立った崖、緑豊かな斜面、滝、氷河などが織りなす景観は圧巻で、アザラシ、イルカ、クジラなどの野生動物に出会えます。クルーズ、ハイキング、カヤック、サイクリングなどのアクティビティも盛んで、フィヨルドは漁業、水力発電、養殖業などの産業にとっても重要な役割を果たしています。


ちなみに、私がノルウェーの映像で他に視聴したことがあったのは「岩合光昭の世界ネコ歩き ノルウェー」でした。この番組では、飼い主と一緒にフィヨルドをクルーズするネコの姿が印象的でした。そのネコは、フィヨルドの絶景を前に、いかにものんびりと風を感じていました(タイトル写真と下写真もどうぞ:注2)。

「岩合光昭の世界ネコ歩き ノルウェー」より(注2)


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注1:NHK 番組「一本の道:"フィヨルドの道"を歩く ノルウェー」より
注2:NHK 番組「岩合光昭の世界ネコ歩き ノルウェー」より


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