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元教授が綴る、30 年前のアメリカ大学街の冬の記憶: 定年退職210日目
前回、雪に悩まされたワシントンDC 旅行と極寒のアップステートNY についてお話ししました。今回は、引き続き雪と寒さの冬の留学生活のひとコマに触れさせていただきます。その前に、前回のワシントン旅行の写真を整理していたところ、高速道路を移動する「家」の姿の写真が見つかりましたので、最初にご披露します(タイトル写真)。日本では見かけない珍しい光景でした。
クリスマスシーズンの大学街
さて、大学街での年末からの冬の生活についてですが、クリスマスシーズンになると街からほとんど人が消えてしまうことに驚きました。普段は 24 時間営業のように活気に満ち溢れている大学(実際、図書館は 24 時間開館していました)も、クリスマスには静まり返り、朝から晩まで停まっていた駐車場の車も完全に姿を消していました。ちなみに、街の家々では、映画「ホーム・アローン」でお馴染みのように、タイマーでクリスマスツリーのイルミネーションなどを点滅させ、留守中の防犯対策としていました。
雪に埋もれた愛車と奥様のちょっとしたトラブル
その年は、前年のような1メートルを超える大雪に見舞われませんでしたが、3月に入ると 50 センチほどの積雪があり(下写真)、愛車も雪に完全に埋もれてしまいました。私は雪をかき分けながら大学へ向かうのがやっとでしたが、後で管理人さんが除雪して歩道を作ってくれました。
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下の写真は、大雪が降った初日に私が大学へ向かう際の場面ですが、写真の右側にご注目下さい。アメリカの家には、外側のドアと網戸の役割も果たす内側のドアの2枚の扉があるのが一般的です。このお陰で夏場は風通しが良くて快適ですが、冬には金属製のドア枠に注意が必要です。
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ある寒い夜、私が大学から帰宅したとき、料理中の奥様が扉を開けに来てくれました。しかし、濡れた手で金属製の内側のドア枠に触れてしまった途端、指が扉に張り付いてしまったのです。寒い時期によくあるトラブルだそうですが、注意が必要ですね。その時は無理に剥がしたため、ドアには奥様の指の皮が少し残ってしまいました(涙)。
<追記> 冬にできるつららも警戒が必要でした。写真のように、つららが1メートル近くになることもあり、家の近くを通る際は常に頭上に注意を払わなければなりませんでした。
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凍った池と鴨たち
下の写真は、近所の池のある公園です。私(写真では小さく写っています)が立っている場所も池なのですが、完全に凍っていました。この公園にはたくさんの鴨が集まっていて、近所の子どもが遊んでいました。餌でもあげたのでしょうか、鴨たちに完全に囲まれてしまいました。見ていて心温まる風景ですが、当の本人は少し怖かったかもしれませんね。
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ベランダに残されたメッセージ?
最後の写真は、ちょっとした謎解き問題です。家のベランダに、点々と等間隔に跡がついていました。初めて見る光景で、何かの物理現象か、それとも誰か来たのかと不思議に思いました。結局、直接目撃したわけではありませんが、庭に遊びに来ていた「リス」の仕業だろうという結論に達しました。冬眠しているものと思っていましたが、3月になって目を覚ましたのかもしれません。
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リスの存在は、日々の生活にささやかな癒しを与えてくれるものでした。次回は、そんなリスとの触れ合いについてお話しましょう。