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元教授、100カメ「ファッション専門学校」編を見て学生時代の徹夜を思い出す: 定年退職172日目

前回に引き続き、NHK番組「100カメ」の印象深い過去の放送回をご紹介します。今回は1年ほど前に放映された「ファッション専門学校」編です。この回ではアパレルデザイン科の男子23名、女子55名、留学生10名を追い、100台のカメラを駆使して撮影されました。



ファッションに敏感な学生たちだけあって、最初はカメラに食いついていましたが、慣れてくるとすぐに、飾らないありのままの姿を見せてくれるようになりました(下写真)。今回は、この様に個性的な学生たちを指導していく教員と、卒業ショーに向けて奮闘する学生たちに焦点を当てます。

ファッション専門学校に100台のカメラ(赤丸):注1


教員陣には、専門のベテラン教授陣だけでなく、興味深いことに第一線で活躍するデザイナーやスタイリストも含まれていました。ある先生は、最初こそ「早く作品を作って下さい」と優しく指導していたものの、最後は「早くやって!」と厳しい叱責に変わっていきます。特に印象的だったのは、デザイナー兼スタイリストで美学を担当するDie-Co先生です。個性的なキャラクターの先生ですが、学生の浅はかな考えを鋭く見抜き、愛情のある指摘で指導する姿は見ていて痛快でした。 (このシーン、Die-Co先生の学生への愛情や熱意が伝わり、なおかつクスッと笑える素敵な場面です。しかし、発言内容を文字に起こすとうまく伝わらなかったので、今回は割愛しました。きっとまた、再放送があると思いますので気になる方はその時に是非)(下写真もどうぞ)

最初は優しかった先生も(注1)
Die-Co先生、鋭くも愛情のある指導(注1)


番組は、学生たちが卒業ショーに向けて奮闘する姿を中心に描かれていました。ショーが近づくにつれて、学生たちは寝る間を惜しんで服作りに没頭し、先生も「今しか出来ないことだから頑張れ」と励まします。しかし、徹夜が続くと、生地を紛失したり、あちこちで「あーー!」と奇声を上げる学生も多数いました(下写真)。それでも周囲の仲間が縫製を手伝ったり、励まし合ったりして、力を合わせて乗り越えていく姿は、まさに損得抜きの青春ですね。

あちこちで「あーー!」と奇声を上げる学生も(注1)

夜中に自宅に集まって徹夜作業をしていた5,6名の男子たちが、徹夜明けの朝6時、横で寝ている仲間もいる中で「マジ、何か一緒に仕事しようや」「したいね、しよう」と語り合っていたシーンが忘れられません(下写真)。令和の時代も、こういう熱い気持ちを持った若者がいることに感動しました。「服は令和だけど、心は昭和」ですね。

徹夜明けの朝6時、「マジ、何か一緒に仕事しようや」「したいね、しよう」と(注1)


彼らの姿を見ていたら、自分の学生時代を思い出しました。研究室に入る前には麻雀以外で徹夜したことはありませんでしたが、研究室に入ってからの発表会前が今回の学生たちと同じような状況でした。夜が更けると、向かいの建物の電気が徐々に消えて心細くなりながら、研究室に残った学生たちで似たような話をしていました。もっと計画的に進めれば徹夜などしなくて良かったのですが・・・体力も有り余っていたのでしょう、ギリギリまで粘っていました(確かに、追い込まれた状況では、火事場の馬鹿力が発揮され、素晴らしいアイデアが生まれることもありました)。徹夜が良いわけではありませんが、最後まで粘ることの大切さを学んだ気がします。


ファッション専門学校の学生たちも、「覚悟が決まったね」「命削って服作ってきた」と自分を奮い立たせて(タイトル写真、注1)、見事に卒業ファッションショーを成功させました(下写真)。生地をなくした学生も、理解するのが困難なコンセプトの学生も、服には見えないデザインの学生も、皆が個性的な作品を立派に発表していました。この経験を通じて、彼らはものづくりの大変さと喜びを知り、大きく成長したに違いありません。

卒業ファッションショーも成功(注1)


「100カメ」、もっと録画しておけば良かったと後悔しています。幸い、あと2回分の録画がありましたので、次回以降ご紹介させていただきます。また、お楽しみに!


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注1:NHK テレビ「100カメ」より

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