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元教授、夏になりアロハシャツを着る(その2): 定年退職 111日目
これからの季節にぴったりのアロハシャツの話を続けます。前回は、ハワイの国際学会でアロハシャツの魅力に目覚めたところまででした(店舗を巡る時間がなく、ホテルの売店と近くのモールで購入しただけでした)。帰国後の5年間、毎夏そのアロハシャツを着て良さを実感し、次のハワイ訪問に向けて計画を立てていました。
5年後、再びホノルルで開催された国際学会 PacifiChem(環太平洋国際化学会議)に参加しました。12月中旬の開催で、ホノルルマラソン直後でしたので、湿布を貼った人や足を引きずった人がたくさん観光していました(笑)。また、この時期のハワイは暖かくて良いのですが、搭乗前・帰国後の日本の冬に備えてコートも必要で、荷物が増えてしまいました。ちなみに、2005年は日本で記録的な大雪が降り、そのため閉鎖された空港もあったそうです(大阪も何年かぶりの大雪で、常夏の国から帰国した時の away 感はハンパなかったです)。
ハワイも二度目ともなると、私も慣れてきました。この時は、レンタサイクルを借りました。観光にはあまり興味がなく、ただ心地よい風を感じながら街を走るのが目的だったのですが(下写真)、同時にアロハシャツ屋(特にアロハシャツの古着屋)もいくつか巡ることにしました。いくつかの店舗をホテルのスタッフに教えてもらいましたが、そのほとんどが目立たない場所にあり、知らないと見逃してしまう隠れた名店が多かったです。
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どの店も中に入ると、アロハシャツが所狭しと並べられており、中にはとんでもない値段のビンテージ品もありました。なぜそれほど高価なのか尋ねてみたところ、色や柄だけでなく、年代、形、タグなど様々な要素が影響するとのことでした。正直、その価値を理解するのは難しく、まだまだ自分はマニアではないと実感しました。しかし、そんな中、一目惚れした古着のアロハシャツを見つけました。少し値は張りましたが、予算内でしたので気に入って購入しました(タイトル写真)。
もちろん、有名なアロハシャツ専門店も巡りました。「カハラ」「レイン・スプーナー」「トリ・リチャード」などです。それらの特徴を調べたいと思い、各店舗内をゆっくり眺めてみました。すると、一見同じようなアロハシャツでも、ブランドごとに個性があることがわかりました。以下にその特徴と購入したアロハシャツ(下写真)をまとめます(各ブランドのHPの情報と個人的な意見です):
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・カハラ(KAHALA): 1936年設立のハワイ最古のアパレル会社で、ワイキキのビーチボーイズのライフスタイルから生まれたそうで、生地の裏側にプリントするリバース型のプリントが有名です。鮮やかな柄が多いのですが、生地にもこだわった、私一押しのブランドです。
・レイン・スプーナー(RAYN SPOONER): 工場に併設された本店を訪れたところ、スタッフが歴史や特徴などを丁寧に説明してくれました。カハラ同様、リバース型のプリントが多く、落ち着いた柄が印象的でした。数年前にはユニクロとコラボしていたので、ご存じの方も多いかもしれません。
・トリ・リチャード(TORI RICHARD): こちらもアロハシャツの老舗ブランドの一つで、特に着心地が良い生地が特徴的でした。個性的なデザインで高級感があり、風格を感じました。
こうして手に入れたアロハを来て自転車を押していると、現地の人と間違われて道を尋ねられることもありました。ハワイの人々と一体になった気分で、まさに至福のひとときでした。